カーリースは、月々のリース料を支払うことで好きな車を希望する期間だけ利用できる、新しい車の持ち方です。
車を持つにあたって必要となる多額の初期費用や契約期間中の固定費用が全て月々のリース料に含まれていることで、これらの費用に煩わされることなく安心してカーライフを送ることができるというメリットがあります。
しかし、カーリースは原則として契約途中で解約することができず、例外的に解約が認められたとしても中途解約金や精算金の請求が発生するため、「カーリースはやめとけ」という声も多く聞かれます。
この記事では、カーリースが中途解約できない理由や例外的に中途解約を行う際の手続き、強制的に中途解約となるケースや中途解約を避けるための考え方など、商品性を理解するために押さえておきたい重要な内容を解説します。
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【目次】
1.カーリースについて
カーリースは、月々定額料金で好きな車を乗りたい期間だけ利用できる、新しい車の持ち方の選択肢です。
契約者が選んだ車をリース会社が資産として購入し、契約者は乗りたい期間にもとづく月々定額のリース料を支払うことでその車をリース会社から借りる、というしくみになっています。
車を購入するときに必要となる初期費用は全てリース料に含まれており、なかでも車両本体価格は契約満了時に残っていると想定する車の市場価値(=残価)を差し引いており、乗りたい期間分のみが含まれています。
加えて、車を持ち続けるうえで必ず発生する税金や自賠責保険料といった固定費用も契約期間中の発生分は全てリース料に含まれていますので、突発的な家計負担もありません。
このように、車を持つ上で本来必ず発生するこれらの費用に煩わされることなく車を利用できるというメリットがあり、自動車メーカーなどを中心に「車のサブスク」と称してカーリースのサービスを展開するケースが増えています。
しかし、一般的なサブスクで見られる「使わなくなったら返却して終わり」といった中途解約はカーリースでは原則として認められていません。
止むを得ない事情があるとリース会社が認めた場合のみ例外的に中途解約ができるものの、リース会社の契約条項にもとづく中途解約金の請求が発生し、車両状態によっては精算金も支払わなければなりません。
どうしてカーリースでは原則として中途解約ができないのか、また例外的に中途解約をする際の手続きや発生する費用について、次の章から詳しく解説します。
その前に、カーリースについて全体的に理解したいという方はこちらの記事もぜひお読みください。
2.カーリースはなぜ中途解約できないのか
カーリースが原則として中途解約できないのはどうしてなのか、例外的に中途解約が認められるのはどういったケースなのかということを解説します。
カーリースはデメリットだらけだと言われる理由の1つでもあり、背景を正しく理解できるように解説を進めます。
2-1.中途解約できない理由を生み出すカーリースのしくみ
カーリースの中途解約が原則できない理由は、リース会社側の視点でカーリースのしくみを述べると見えてきます。
やや尊大な言い方になりますが、限られた資金で契約者の希望に沿った車を購入し、購入時の車両本体価格から乗りたい期間に合わせ残価を差し引いたうえで月々のリース料で契約者専用として貸し出す、というのがリース会社側から見たカーリースのしくみです。
契約者の希望に沿って購入した車なので車両本体価格はリース料によって契約者本人から回収する必要がありますが、途中でリース契約を解約されてしまうと車両本体価格が回収できていない状態で車が返ってくることになります。
そうして返却された車をリース会社が資産として再活用する際には未回収分の車両本体価格を加算する必要があり、その分だけ中古車として売買するときの価格やリース車として提供するときのリース料が高くなるため、資産としての再活用に大きく支障が出てしまいます。
こうした理由があるため、カーリースを途中で解約することは原則として認められないのです。
また、月々のリース料には契約期間に応じリース会社の利益も含めているため、リース契約を途中で解約されてしまうことでリース会社にとっては契約時に見込んでいた利益を得られなくなることにも繋がります。
これもカーリースを途中で解約できない理由となります。
2-2.カーリースの中途解約が認められるケース
しかし、主に契約者が下記のような状況になってしまったケースでは契約を維持することができなくなってしまうため、リース会社で事情を確認し検討したうえで止むを得ずカーリースの中途解約を認めることがあります。
ケース1:契約者が車を運転できない状態になる
契約者の身の上に車の運転ができなくなるようなことが起きてしまった場合は、リース料の支払いを続けたとしても契約者はその車を使う事ができないため、リース会社は止むを得ずリース契約途中での解約を認めることがあります。重大な病気や、事故などで重篤な後遺症を負ってしまった場合、不幸にも契約者ご自身が亡くなってしまった場合はこのケースに該当します。
また、運転免許証の自主返納を行った場合も中途解約が認められるケースとして挙げられており、昨今の運転免許証の自主返納に潜む背景からか、次の章で述べる中途解約金の負担を軽減する措置を講じているリース会社もあります。
ケース2:契約者の都合以外で車を手放す必要がある
契約者が仕事で長期の海外転勤を命じられた場合など、予期せぬ生活の変化により車を手放さざるを得ない状況になったケースも、カーリースの中途解約が認められることがあります。上記の海外転勤のケースでいうと、転勤先となる海外へ車を持っていくことはできないため、車を手放さざるを得ません。また、国内での転勤でも車を必要としない都心への転勤などで車を使わなくなるケースもあるでしょう。
ケース1とは異なりそもそも車の運転が不可能な状態になったわけではないため、状況によって判断が分かれますが、リース会社の判断次第では中途解約が認められることもあります。
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3.カーリースの中途解約手続き
カーリースはリース会社が止むを得ない事情があると判断した場合のみ例外的に中途解約が可能となりますが、そのまま車を返却して終わりとはならず、中途解約金の支払いや車の状態によって精算金の支払いが必要となります。
本章では、カーリースを途中で解約する際に必要となる手続きについて解説します。
3-1.中途解約金の支払い
残りの契約期間のリース料総額をベースにした中途解約金をリース会社が算出し、契約者へ請求します。契約者は、リース会社から請求された中途解約金を一括で支払う必要があります。
前の章で述べたとおり、契約者の希望に沿って購入した車の車両本体価格は契約者本人から月々のリース料で回収しなければなりませんが、リース契約を途中で解約するということは車両本体価格が部分的にしか回収できていないことになるため、残りの期間のリース料総額をベースにした中途解約金の請求により回収を行うのです。
なお、解約以降は契約者が車を使うことがないため、リース料に含まれる契約期間中の各種税金や自賠責保険のうち、解約時点で支払いが到来していない分は中途解約金の算出に当たって除外しています。
3-2.車の状態による精算金の支払い
大きく下記2つの内容を確認し、リース契約中の車の使い方により車両価値を損なっているという査定結果となった場合、資産としての再活用にあたり損なった価値を補填するために契約者へ精算金を請求することとなります。
確認事項1:通常使用の範囲を超える劣化の有無
車は使い続けていくうちに劣化していき、どれだけ丁寧に使っていても避けることはできません。カーリースの契約においては、例えば目に見えない微細なキズなど契約期間中に起こる避けられない劣化などを踏まえて残価を設定しますが、車のカスタマイズや事故などで車にキズや凹み、穴といった目に見える劣化が生じた場合は車両価値がリース契約の設定残価よりも下がってしまいます。
車の査定によりこうした通常使用の範囲を超える劣化があるという結果が出た場合、リース会社はそれを補填するための精算金を契約者へ請求します。
なお、カーリースの契約では車の返却にあたって契約当初の車両状態に戻す必要があると定めていますが(いわゆる「原状回復」)、上記のような通常使用の範囲を超える劣化についても原状回復の対象となります。
もし事故でキズや凹みなどが付いてしまった場合、任意保険に加入していれば補償内容に応じ修理可能なので、補償対象外とならないうちに早めに対処することが重要です。
確認事項2:走行距離制限の超過の有無
車は通常使用の範囲でも劣化していきますが、走行距離の増加によってさらに劣化が進むため、リース契約では返却された車の価値を担保しうる走行距離制限を設定しています。車の査定結果により、返却時点での走行距離がリース契約の走行距離制限を超過していることが判明した場合、リース会社は車両価値の下落を補填するために精算金を契約者へ請求します。
4.カーリースが強制的に中途解約となるケース
これまで述べてきたように、カーリースの中途解約はリース会社が止むを得ない事情があると判断した場合に例外的に可能となるものです。
一方で、例えば車が事故で損傷し全損扱いになった場合や、盗難に遭い発見できない場合など、リース契約の車が全く使用できない状態になったケースでは、リース会社側で強制的に中途解約を進めることとなります。
これは、対象物件がない状態でのリース契約の継続はできないということが理由です。
上記のような車が全く使用できないケースでの解約の場合、リース会社は資産を失った事になります。
こういったケースでの解約金は、通常の解約金のベースとなる残りのリース料総額に契約満了後の車の資産価値である残価が加わりますので、非常に高額となります(なお、車が使用できない状態のため、車の状態による精算金の請求は行われません)。
こうしたケースの発生頻度は決して高くないものの、発生してしまった時の多額の解約金請求は大きなリスクとなるため、万が一への備えとして任意保険へ加入することがカーリース契約にあたって推奨されています。
5.カーリースの中途解約を避けるために
カーリースは原則として途中で解約ができず、止むを得ない事情により解約が認められた場合でも中途解約金の請求が行われ、車の状態によっては精算金の請求も加わるため、どうしても解約せざるを得ない事情が発生した時にカーリースを契約して後悔したということに繋がってしまいます。
カーリースを検討するにあたってこうしたリスクを避けるための考え方について解説します。
5-1.契約期間を慎重に検討する
カーリースの車をどれくらい乗るのかをもとに、契約期間を慎重に検討することが重要になります。
現状のライフスタイルの考慮はもちろん、将来設計や突然のライフスタイルの変化もある程度予測しておきましょう。
例えば、結婚や出産などによる家族構成の変化が見込まれる場合、数年先の生活を前提に車を選びある程度長い契約期間にするか、あるいは契約期間を短くし家族構成の変化に合わせ車を変えるという考え方もあります。
また、勤務先から転勤を命じられることがあり得る場合は、転勤先で車が不要となる可能性も見据え一般的な転勤サイクルなどをもとにしたリース期間を設定する、といった考え方になるでしょう。
5-2.解約リスクを回避でき、メリットの多いカーリース
そこで、オリックスカーリースでは1984年以来マイカーリース事業を手がけ続ける中で、こうした解約リスクがカーリースの利便性を下げていると考え、新車リースについては契約途中で解約が可能なプラン設計を実現しました。
リース契約の途中で解約が可能
オリックスカーリースの新車プラン「いまのり」シリーズでは、契約期間が残り2年になったらいつでもリース契約の途中で解約することができます(5年契約の「いまのりくん」は残り3年になったら解約可能)。しかも、この解約可能な期間であれば解約金の請求なしで車を返却することができ、解約と同時に別の車で新たにリース契約をすることも可能です。
リース契約期間中に突然ライフスタイルが変わってしまっても安心なプランとなっています。
契約が満了したらそのまま車をもらえる
オリックスカーリースのプランでは、解約リスク回避の他に契約満了後に車をもらえるというメリットもあります。カーリースの契約期間を検討する際、満了後に車をリース会社へ返却する必要があることも念頭に置かねばなりませんが、オリックスカーリースでは満了後の見込み資産価値となる残価を0円にすることで、契約が満了したらそのまま車をもらうことを可能にしています(新車の5年契約「いまのりくん」は残価設定があるため対象外となります)。
車を使う期間が契約時の想定より長くなってしまっても、満了後にそのまま車をもらうことで引き続き自分の車として使い続けることができ、より安心感の高いプランとなっています。
また、残価が0円になることで、契約満了に伴い車を返却した際には車の劣化や走行距離超過による精算金が発生しないという安心感も生み出しています。
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6.カーリースの中途解約についてよくある質問
カーリースの中途解約について、よくある質問をまとめました。
Q1:カーリースはなぜ中途解約ができないのですか?
A1:リース会社が契約者の希望に沿って車を購入し、月々のリース料で購入費用を回収しているためです。そのため、中途解約されてしまうと購入費用が回収できていない状態で車が返却されることになり、資産としての再活用に支障が出てしまうのです。
Q2:中途解約が認められるケースはありますか?
A2: 契約者が重大な病気や事故などで車を運転できなくなったケースや、海外転勤などでの契約者に起因しない事情で車を手放す必要が出たケースなどでは、リース会社が中途解約を認めることがあります。
Q3:中途解約する際にはどのような手続きが必要ですか?
A3: 車の返却に加え、残りの期間のリース料をベースにした中途解約金の一括支払いが必要となります。また、車両の劣化や走行距離制限の超過の度合いによっては精算金の支払いも必要となることがあります。
Q4:カーリースの中途解約を避けるためにはどうすればよいですか?
A4: 現状のライフスタイルはもちろんのこと、将来設計や起こり得るライフスタイルの変化をある程度予測し、契約期間を慎重に検討することが重要です。勤務先から転勤を命じられる可能性がある場合は転勤サイクルも念頭に置く必要があります。
7. まとめ
カーリースは、多額の初期費用や契約期間中に発生する車の固定費用を負担する必要なく車を利用できるというメリットをもった、新しい車の持ち方を提供するサービスになっています。
ただ、契約者の乗りたい車をリース会社が資産として購入し、それを月々のリース料で利用するしくみであり、車両本体価格は契約者から回収する必要があることから契約期間の途中で解約することができません。
止むを得ない事情があるとリース会社が認めた場合にのみ中途解約ができるものの、中途解約金の支払いや車両の状態によって精算金の支払いも発生するため、カーリースのデメリットとしてしばしば挙げられています。
カーリースの検討にあたってこうしたデメリットを回避するため、希望する車にどれくらいの期間乗りたいか、ご自身の現在のライフスタイルや将来設計、今後起こり得る突発的なライフスタイルの変化なども考慮したうえで慎重に検討する必要があります。
カーリースをご検討するにあたり、本記事で述べた内容を参考にご自身に合ったプランを見つけていただければと思います。
そのうえで、サービスが持つ本来のメリットを感じることができれば安心のカーライフを送ることができるでしょう。
執筆者
「オリックス・カーリース・オンライン」編集部
- <公開日>2021年12月1日
- <更新日>2024年6月19日