カーリースの車で事故を起こしたら?契約への影響や事故時の対処法を解説

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※注意※
もし実際に事故を起こしてこのページをご覧になっている方がおられたら、まずは心を落ち着けてから以下に記載する手順を実施して下さい。
詳しい内容はこちらにも記載しています。


状況の確認
事故の状況や負傷者を確認する
車両の移動
二次災害を防止する
負傷者の救護
119番通報の上、最優先で実施する
警察への連絡
110番通報をし、事故状況を届け出る
保険会社への連絡
当事者同士でその場で示談をしない
相手方の連絡先の確認
補償に関する話をするために確認
事故状況の確認・記録
任意保険における過失割合
リース会社への連絡
上記が終了してからで良いです

カーリースは、契約者の希望する車をリース会社が代わりに購入し、月々定額のリース料で契約者へ貸し出すしくみであり、契約満了後には車両をもとの状態に戻して返却する必要があります。
そういった契約のしくみになっているカーリースで事故を起こした場合、リース契約はどうなるのでしょうか。
本記事では、カーリースを検討するうえで知っておいた方が良い事故発生時の契約への影響や、事故への備えとしてできること、実際に事故が起きた時にどういった対処を行うべきかについて解説します。

1.カーリースの車で事故を起こした時の車両修理

事故を起こした場合のカーリース契約への影響を解説する前に、「カーリース契約において事故後の修理は必ず実施しなければならない」こと、「修理費用は契約者ご自身の負担になる」ことについて触れたいと思います。

事故後の修理は必ず実施しなければならない

カーリース契約は、契約者の希望する車をリース会社が代わりに購入し、月々定額のリース料で契約者へ貸し出すしくみとなっています。
車はリース会社から借りているものになるため、リース契約が満了し車両を返却する時には車がもとの状態に戻っている必要があり、必要に応じ契約者の負担でもとの状態に戻す必要があります(いわゆる「原状回復」)。

ご自身の車の場合、事故による故障やキズ・凹み等の修復を実施するかはご自身の考えで決めて全く問題はないのですが、カーリースの場合は上述のとおりリース契約満了時には原状回復をされている状態で返却する必要がありますので、事故による故障やキズ・凹み等の修復も必ず実施しなくてはなりません。

修理費用は契約者ご自身の負担になる

車の運転中に事故を起こした際の故障やキズ・凹み等の修復費用は運転者ご自身で負担することになりますが、この考え方はカーリースの車においても同様です。
また、カーリースの契約には契約期間中の税金や自賠責保険料といった固定費用以外は基本的に含まれず、
サービスによってはメンテナンス費用を含めることが可能な場合はあっても、修理費用や原状回復費用はカーリースの契約に含まれません
そのため、カーリースの車で事故を起こした際の修理費用は契約者ご自身の負担となるのです。

2.事故を起こした場合のカーリース契約への影響

カーリースの車で事故を起こした場合の契約への影響ですが、「事故を起こした=全て強制解約」というわけではありません。
車を修理することで引続き走行することができるかどうかによって、リース車をそのまま利用できるか中途解約になるかが決まります。
以下で詳しく解説します。

修理することで引続き走行できる場合

車を修理することで走行できる状態であれば、基本的にはカーリースの契約は継続することが可能です。
例えば、ボディの凹みや一部の破損などは車の走行可否には影響しないことが多く、修理すれば走行可能となることが一般的です。
とはいえ、あまり時間が経ってしまうと修理をしてももとの状態にならないこともあり、また保険を適用するにしても一定期間を経過してしまうと補償対象外になりますので、自己負担とはなりますがお早めに修理をした方が良いでしょう。
また、リース会社やサービスの内容によっては整備工場が指定される場合もあるので、修理の際は自己判断で進めずに必ずリース会社へ事前連絡をしましょう。

全損扱いとなった場合

事故で車が損傷した場合は修理が必要となりますが、修理をしても走行不能である場合や、修理費用が車の時価額を上回る場合は、「全損」という扱いになります。
車が全損扱いになったということはその車が使用できない状態になったということを表しており、カーリースにおいてはリース会社の車を使用不能な状態にした、ということになります。
契約対象である車が使用不能になった状態で契約の継続はできないため、強制的にリース契約は解約ということになります。

なお全損扱いとなった場合の解約金ですが、その時点での残りの契約期間のリース料総額に車の残価を加えた金額がベースとなり、通常のカーリースの中途解約時よりも高額となります。

3.もらい事故の際のカーリース契約への影響は?

ここまではご契約者がカーリースの車で事故を起こした場合の契約への影響について解説しましたが、「信号待ちの時に追突された」「駐車場で停車している時に車にぶつけられた」といった、ご自身に全く非がない「もらい事故」の場合はどうなるのでしょうか。

もらい事故の場合も通常の事故と同様に、修理することで引続き走行できる場合には自己負担で修理することで契約の継続が可能となりますし、全損扱いになった場合はその時点で強制的に解約となり解約金を支払う必要が出てきます。
なお、もらい事故の場合はご自身に全く非がないため、発生する費用を事故の相手方に損害賠償として請求することが可能です。

ただし、後ほど述べますがもらい事故の場合は相手方との示談交渉を保険会社が代行できず、自分自身で行う必要があるので注意が必要です(任意保険の「弁護士費用特約」を付けていれば、弁護士へ交渉を委任できます)。

4.カーリースの事故で使える保険

ここからは、カーリース契約での事故に備えるための車の保険について解説します。
車の保険は大きく分けて2つあり、1つは強制保険にあたる自賠責保険、もう1つは加入の要否や補償内容を任意で決められる任意保険になります。
両者の違いは以下表のとおりとなりますが、自賠責保険は補償限度額や補償対象外の損害があるため、それを補うために任意保険へ加入する、という位置づけとなります。

自賠責保険 任意保険
相手方の損害 身体 補償限度額あり
死亡:3,000万円/傷害:120万円/
後遺障害:4,000万円
対人賠償保険
・自賠責保険の補償限度額を超える部分
・「無制限」の場合は金額上限なし
車など 対物賠償保険
(「無制限」の場合は金額上限なし)
自身や搭乗者の損害 身体 人身傷害保険/搭乗者傷害保険など
(「無制限」の場合は金額上限なし)
車両保険
相手方との示談交渉 あり

それぞれの保険について以下のとおり解説します。

自賠責保険

自賠責保険は、交通事故の被害者救済を目的に、加害者の経済的負担を補填し基本的な対人賠償を確保するための保険であり、自動車損害賠償保障法に基づきすべての自動車の所有者に加入義務が課されています。

補償内容は被害者の基本的な対人賠償に限定されており、被害者の車の修理費用や加害者自身の損害などは補償対象外となります。
また補償限度額も死亡:3,000万円、傷害:120万円、後遺障害:4,000万円といった限定的なものになっているため、万が一の事故への備えを十分にするためには任意保険にも加入した方が安心です。

出典:
自賠責保険(共済)とは? - 国土交通省

なおカーリースの場合は自賠責保険の加入並びにリース期間中の更新手続きはリース会社が実施しており、費用は毎月支払うリース料に含まれているため、契約者側での手続きは不要となります。

任意保険(自動車保険)

任意保険(自動車保険)とは、車の事故によって相手方にケガをさせたことや、相手方のモノを壊したことによって損害賠償責任を負った場合や、運転者自身や同乗者のケガや自身の車の修理費を補償する保険であり、上述のとおり補償範囲や支払限度額が限定的である自賠責保険を補う役割があります。
車の使用者側で加入の要否や保険内容を決めることができるため、すべての車に加入義務がある自賠責保険と区別する意味合いで「任意保険」と呼ばれています。

出典:
自動車保険(任意)とは? - 一般社団法人日本損害保険協会

任意保険の契約期間は基本的に1年間であり、満期の都度更新が必要となります。そのため、カーリースには任意保険が含まれないことが多く、契約者ご自身での加入手続きが必要となります。

なお、おもな任意保険の補償内容については以下表のとおりとなっています。

補償内容
対人賠償責任保険 契約車両の事故により他人を死傷させ、法律上の損害賠償責任を負った場合に、相手方の治療費や慰謝料などが補償される
対物賠償責任保険 契約車両の事故により、相手の車や壁、電柱など他人のモノを壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償される
人身傷害保険 契約車両に乗車中の方が事故で死傷した場合などに、過失割合に関係なく、実際の損害額に対して補償される
搭乗者傷害保険 契約車両に乗車中の事故により、自分や同乗者が死傷した場合に損害額が補償される
無保険車事故傷害特約 契約車両に乗車中の方が死亡あるいは後遺障害を負った場合に、事故相手(無保険車を運転中の人など)が負担するべき損害賠償額のうち、自賠責保険の保険金額を超えた額が補償される
車両保険 契約車両が事故で壊れた場合などに修理費等が補償される

付けておきたい特約

上述の一般的な補償内容の他に、カーリースの事故に備え付けておくと安心なおすすめ特約をいくつか紹介します。

弁護士費用特約

自動車事故で被害者になった場合に、ケガや車・モノの損害に対する賠償請求を弁護士に委任する際にかかる弁護士費用や、法律相談費用等を補償する特約です。
特に「もらい事故」の場合、弁護士法第72条に抵触するため保険会社が示談交渉をすることができず、相手方との交渉を自分自身で行わなければならないため、そういった場合に弁護士へ交渉を委任する時の費用負担に備えることができます。
出典:
弁護士法72条 – 内閣府ホームページ

リースカー車両費用特約

リースカー車両費用特約とは、車両保険金額がリース契約の解約金に合わせて設定される特約のことです。
既に述べたとおり、カーリースで車が全損となった場合、「残りのリース料総額+車の残価」をベースとする全損解約金をリース会社へ一括で支払う必要があります。
この場合は車両保険が適用され保険金の支払いが行われますが、保険金が解約金に満たない場合は不足分の自己負担が発生し、逆の場合は超過補償という形になるため、こういった補償のアンマッチを無くすことができるリース契約特有のおすすめ特約となっています。
■カーリースでの任意保険の必要性や付保しておきたい補償内容など、詳しい解説記事はこちら
カーリースで任意保険は必要?その理由やオススメの補償も解説

5.他にもある、万が一の事故への備え

車を運転していて事故を起こした場合には突発的に多額の出費が発生するため、上述した任意保険への加入は事故への備えとして重要になってきます。
その他に、下記で解説するようなことも事故に対する備えとなります。

ドライブレコーダーの取り付け

後ほど「カーリースの車で事故を起こした場合の対処手順」にて解説しますが、交通事故の際に現場の記録を取っておくことはとても重要です。
任意保険の過失割合や賠償額を決める上で事故状況は大事な要素になります。事故当時の記憶は薄れてしまうこともあり、相手方との意見の食い違いが起きる可能性もありますが、そういった時にドライブレコーダーの映像は有効な証拠となります。
また、当て逃げなどの様に後から被害に気づくケースでも、ドライブレコーダーに残されている映像が加害者特定の有力な証拠となります。

安全運転支援装置の充実した新車を選ぶ

これから車を購入する人に向けた情報になりますが、安全運転支援装置が充実した新車を選ぶことも重要です。
安全運転支援装置には、例えば衝突時の被害を軽減するための「衝突被害軽減ブレーキ」、アクセルとブレーキの踏み間違いによる加速を抑制する「誤発信抑制制御装置」、車線をはみ出すことによる衝突事故を防ぐための「車線逸脱警報装置」などがあります。
最近の新車はこれらを標準装備あるいはメーカーオプションにより装備可能であることが多いため、車を購入する際には新車を選ぶことで、事故の未然防止につながるということもあります。

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6.カーリースの車で事故を起こした場合の対処手順

次に、上述した万が一への備えではありませんが、カーリースを契約していて実際に事故を起こしてしまった時のことをイメージしていただけるように、その対処手順について解説していきます。

事故を起こしてしまったときは誰しも焦ってしまい、正常な判断ができなくなってしまうことがあります。
そのため、事故現場でどう対応すべきかをあらかじめ把握しておくことで、いざというときの冷静な対処に繋げることも重要です。

手順1:状況の確認

何かに衝突したなと思ったら、たとえ軽微であってもまずは車を停止させ、負傷者の状況や道路における危険の有無など、事故現場の状況を確認します。
ただその間も後続車はやってきますので、停車時には必ずハザードランプを点灯させ、非常事態により停止していることを周囲に知らせるようにしてください。
また、後続車にはねられるなどの危険を避けるため、状況確認のために車外に出る際には周囲に十分注意してください。

手順2:車両の移動

渋滞を引き起こしたり後続車が追突するなどして二次災害が起きたりしないように、路肩など通行の妨げにならない安全な場所に車を移動させましょう。
この際、ハザードランプをつける、発煙筒や停止表示板を使うなどして事故が起きていることを後続車に知らせることが大切です。

手順3:負傷者の救護

負傷者がいる場合、その救護は最優先で行います。
まず救急への連絡を必ず行い、救急車が到着するまでは止血を行い怪我の状態を確認するなど、できる範囲で必要な救護措置をします。

手順4:警察への連絡

法律(道路交通法第72条)
に定められているとおり、人身・物損を問わず事故を起こした場合は必ず警察へ届け出ることが義務とされていますので、110番に電話し事故の発生を報告してください。
現場処理を行う警察官から、手続きについての説明があります。

また、任意保険の補償を受ける際に必要となる「交通事故証明書」は警察への連絡により発行されますので、そういった意味でも必ず警察へ連絡を行いましょう。

必要になる場合があります。交通事故証明書とは、事故の日時や場所、氏名などが記録された、事故が起きたことを証明する書類であり、警察に連絡した際にはこれらの情報を中心に詳しく事情を聞かれるので、落ち着いて正確に答えましょう。

手順5:保険会社への連絡

事故後の示談交渉や負傷への対応などのためにも、必ず保険会社へ連絡しましょう。
事故を起こした際にどうするべきかを指示してくれたり、契約内容によってはレッカーや代車の手配などといった対応をしてくれます。
事故が起きたことへの動揺から当事者同士の示談を進めてしまう可能性がありますが、その場で示談をしてしまうと、事故から数日後に怪我の症状が現れた際などに補償されなくなってしまいます。
事故の相手方との話し合いや賠償金の交渉などについては保険会社に依頼すれば代行してくれますので、絶対にその場で示談をしないでください。

なお、事故発生から保険会社への連絡まで日があいてしまうと保険金が支払われない場合がありますので、保険会社へは速やかに連絡をしてください。

手順6:相手方の連絡先の確認

事故後の示談交渉などを行うため、相手の氏名や住所、連絡先や車種などを確認し、相手が任意保険に加入している場合は保険会社名や証券番号、契約者氏名と保険会社の連絡先も確認しましょう。
免許証などで相手の氏名、住所、連絡先などを確認し、相手の車両の登録番号をメモできればより良いでしょう。

重ねて申し上げますが、当事者同士での示談交渉は絶対にしないでください。

手順7:事故状況の確認・記録

任意保険における過失割合や賠償額を決めるうえで、事故状況は大事な要素になります。

事故当時の記憶は薄れてしまうこともあり、相手方との意見の違いがあったときのために、事故現場を写真や動画で記録するなどドライブレコーダーの映像を保存しておくことが大切です。
事故現場に目撃者がいる場合には、連絡先を聞いて協力を依頼しましょう。

事故状況は、過失割合や賠償額を決める上で大事な要素になります。
事故時のスピード、停車位置、信号などを忘れないうちに記録しておきましょう。
目撃者がいる場合には、氏名や連絡先などを聞いておきます。

手順8:リース会社への連絡

リース車の所有者はリース会社なので、事故が起きた場合は必ずリース会社に連絡するようにしましょう。
また、車の修理を行う整備工場の指定があるケースもあるので、事故後の車の修理は自己判断で行わずにリース会社へ確認するようにしましょう。

なお、上述した事故現場における各種対応を優先し、それらが終わってからリース会社へ連絡するようにしましょう。

7.カーリースの車で事故を起こした場合のよくある質問

Q1: カーリースの車が事故でキズついたり凹んだりした場合、修理する必要はありますか?
A1: リース会社の所有する車であり、契約満了時には原状回復をした状態での返却が必要なので、事故によるキズや凹み、故障等は修理・修復が必要です。時間が経つと修理・修復不能になることもありますので、早めの対応が必要です。

Q2: カーリースの車で事故を起こした時の修理費用はどうなりますか?
A2: ご自身で所有している車と同様、事故による故障やキズ・凹み等の修復費用は運転者ご自身で負担することになります。高額かつ突発的な費用発生になることが多いため、万が一の事故に備え任意保険への加入をおすすめします。

Q3: 事故を起こした場合、カーリースの契約はどうなりますか?
A3: 車を修理することで引き続き走行できる状態であれば、リース契約の継続は可能です。ただし、全損扱いとなった場合は契約の継続ができないため、その時点で解約となります。いずれにせよ、リース会社へは必ず報告を行ってください。

Q4: カーリースの車で事故を起こしてしまった場合、どのように対処すれば良いですか?
A4: 下記①~⑧に沿った対応をして下さい。心を落ち着け、誠意ある対応をすることが重要です。
状況の確認
事故の状況や負傷者を確認する
車両の移動
二次災害を防止する
負傷者の救護
119番通報の上、最優先で実施する
警察への連絡
110番通報をし、事故状況を届け出る
保険会社への連絡
当事者同士でその場で示談をしない
相手方の連絡先の確認
補償に関する話をするために確認
事故状況の確認・記録
任意保険における過失割合
リース会社への連絡
上記が終了してからで良いです

8.まとめ

カーリース契約は、リース会社から車を借りて使い、契約満了後には原状回復をする必要があることから、事故を起こした際の対応もその事故状況によって変わってきます。
また、カーリース以外でもそうですが事故を起こした場合は突発的な高額費用の負担が発生することもありますので、それに備えておくことやそもそも事故を起こさないような備えを可能な範囲で実施することも重要です。

交通事故が起きないように気を付けることは車を運転するうえでの大前提になりますが、本記事で解説してきた内容も参考にしながら、万が一事故を起こしてしまった時に慌てず対処できるように備えていただければと思います。

執筆者
「オリックス・カーリース・オンライン」編集部

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  • <公開日>2022年9月30日
  • <更新日>2024年3月28日