車が欲しいけれど現金一括での購入は難しい――そんな時の選択肢となるカーローンとカーリース。
どちらも多額の初期費用を負担せずに月々の支払いで車を持つことができますが、カーローンは車を購入するためのサービスであり、カーリースは好きな車を一定期間借りるサービスである、という違いがあり、契約内容や向いているケースも異なります。
本記事では、カーローンとカーリースそれぞれのしくみを解説したうえで両サービスの違いについて詳しく比較し、加えてそれぞれのサービスに向いている人の例や、どちらのサービスを選ぶか決めきれないときの選択肢も紹介します。
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【目次】
1.車を持つにあたって発生する費用
車を持つには、購入費用に加え、定期的に発生する維持費用もかかります。
カーローンとカーリースの違いを正しく掴んでいただくため、これら2つの費用についてまず簡単に紹介します。
1-1.車の購入時にかかる費用
車両本体価格に加え、カーナビやETC車載器、バックカメラ、安全運転支援装備などのオプション品の価格も発生します。
これらに加え、車の登録や納車準備にかかる下記の費用も発生します。
車種によって異なりますが、車の購入時にかかる費用を全て合わせると数百万円ほどの多額な費用となります。
・自動車税/軽自動車税(環境性能割):車の所有権取得に伴い課税される
・自動車重量税/軽自動車重量税:車の重量に応じ、購入時車検の有効期間分が課税される
・自賠責保険料:自動車損害賠償保障法に基づきすべての車の所有者に加入義務がある強制保険の保険料
・リサイクル料金:役目を終えた自動車を解体する際、適切な処理を行うために必要な費用
・登録・納車時諸費用:車庫証明費用、検査登録手続き費用、納車費用など、車の登録や納車に必要な費用
1-2.車の維持にかかる費用
車の維持費用は、ある程度決まった金額で定期的に必ず発生する固定費用と、車の状態や使い方などによって金額や発生時期が異なる流動費用とに大きく分かれます。本記事では主に固定費用について紹介します。
・自動車税/軽自動車税(種別割):毎年4月1日時点での車の所有者に課税される
・自動車重量税/軽自動車重量税:車の重量に応じ、継続車検の有効期間分が課税される
・自賠責保険料:すべての車の所有者に加入義務がある強制保険の継続保険料
・その他流動費用:メンテナンスや車検の費用、任意保険の保険料など
車の税金については下記の記事で詳しく解説しています。ぜひお読みください。
次の章から、カーローンとカーリースの違いについて詳しく解説します。
2.カーローンとカーリースのしくみ
カーローンとカーリースの違いを比較するために、それぞれのサービスのしくみについて解説します。
2-1.カーローンのしくみ
カーローンとは、車の購入に必要なお金を金融機関から借り、決められた期間中に返済するサービスです。
購入費用を分割して支払うため、月々の返済金額には金利が上乗せされます。この金利ですが、返済期間中に変動しない「固定金利」と、金利の動きに合わせ利率を変える「変動金利」の大きく2つが存在します。
カーローンは、銀行や信用金庫などの金融機関が提供する「銀行系マイカーローン」と、自動車ディーラーの提携する信販会社から借入れを行う「ディーラーローン」とに大きく分かれており、ディーラーローンの場合は返済完了まで車の所有権は信販会社に留保される場合がありますが、その場合でも車のカスタマイズは基本的に自由に行うことができます。
車の購入費用は合計で数百万円ほどの多額なものになるため、車が欲しいけれど現金一括で購入する手元資金がない場合や手元資金を切り崩したくない場合でも車を購入できるという大きなメリットがあり、車を購入する際の選択肢として従来から使われ続けています。
ただし、契約にあたり収入額や収入の安定性などを確認するためのローン会社所定の審査があり、これに通過しないと利用できないというデメリットもあります。
また、借りられるお金はあくまで車の購入費用であり、車の維持にかかる費用は対象とならないため現金一括購入と同じ様に費用捻出や支払い手続きが必要となります。
また、ディーラーローンの一種で、契約時に設定した「残価」をローンの最終支払い時まで据え置き、車両本体価格から残価を差し引いた金額を契約月数で分割して支払う「残価設定型ローン」というサービスも近年増えています。
残価の分だけ月々の返済額を安く抑えられる一方で金利が比較的高く、また通常のローンと違い契約満了時に据え置いた残価を精算しないと車が自分のものにならないというデメリットもあります。
2-2.カーリースのしくみ
カーリースは、乗りたい車と期間を契約者が最初に選び、それに応じた月々定額のリース料を払い自分の車として利用することができるサービスのことです。
契約者の乗りたい車をリース会社が代わりに購入し、契約者は月々のリース料を支払ってその車を借り、契約が満了したら車は返却する、というしくみになっています。
このようなしくみから、カーリースを「車のサブスク」と称してサービス展開している会社もあります。
月々のリース料には、車の購入費用のほか、契約期間中に発生する固定費用も全て含まれているので、車を持つときに通常必要となるこれらの費用を準備することなく気軽に車を持つことができる、というメリットがあります。
また、車両本体価格は全てを含めるのではなく契約満了時の残価を差し引いた分のみを含めており、乗りたい分だけの支払いでよいというメリットもあります。
一方、リース会社が購入した資産である車を借りるしくみ上、現金購入やカーローンとは異なるデメリットがあります。
車両本体価格は車を注文した契約者から回収する必要があるため中途解約ができない、残価設定方式によっては契約満了後に精算金の支払いが発生する可能性がある、残価を担保するための走行距離制限がある、自分の車として使っていても返却時には元通りにする必要がある(いわゆる”原状回復”)、車は自分のものにならない、等が主なデメリットです。
カーローンと同様、カーリースも契約にあたって収入額や収入の安定性などを確認するための審査があり、これに通過しないと利用できません。
下記の記事もお読みいただくと、カーリースについてより詳しく知ることができます。
3.カーローンとカーリースの違い
月々の支払いで車を持つことができるという点ではカーローンとカーリースは似ていますが、契約条件には下表にまとめたような費用面と車の利用面での違いが見られます。
大まかに言うと、費用に関する契約条件を見ると車を借りて使うしくみであるカーリースの方が利便性に優れているものの、車の利用に関する契約条件を見ると購入契約であるカーローンの方が縛りなく自由に使える、という違いになります。
<表> カーローンとカーリースの違い
カーローン | カーリース | |
---|---|---|
費用に関する違い | ||
初期費用 | 不要 | 不要 |
維持費用 | 全て自身で費用捻出・支払が必要 | 税金など固定費用の捻出・支払は不要 |
メンテナンス費用 | 自身で費用捻出・支払が必要 | 自身で費用捻出・支払が必要 (契約に含む場合もある) |
支払金額の変動 | 変動金利の場合は変わる | 契約期間中は変動しない |
月々の支払以外の請求 | なし | 走行距離や車両状態によっては契約満了時に追加請求が発生する |
車の利用に関する違い | ||
所有権 | 銀行系:自分 ディーラー系:信販会社に留保 |
リース会社 |
車の利用制限 | なし | 契約期間中の走行距離制限がある |
車のカスタマイズ | 自由に行うことができる | 車両返却時の原状回復が可能な範囲でのみ可能 |
契約途中での解約 | 不可 | 不可 |
契約満了後の車の取扱 | 自分の所有車として継続利用可能 | リース会社へ返却する |
それぞれの違いについて詳しく解説します。
3-1.費用に関する違い
維持費用・メンテナンス費用
カーローンは車の購入費用を借りて返済するしくみであるため、車の維持に関する固定費用やメンテナンス費用は一切含まれず、ご自身で費用捻出・支払い手続きを行う必要があります。それに対し、月々の利用料を支払ってリース会社の車を借りるしくみのカーリースでは、車の維持に関する固定費用は全て含まれており、支払い手続きは車の所有者であるリース会社が行いますので、契約者は費用面の煩わしさから解放されます。
メンテナンス費用は一般的にリース契約には含まれませんが、リース契約に含まれているサービスもあり、その場合はメンテナンス費用の捻出や支払も不要となります。
支払い金額の変動
変動金利のカーローンでは、金利の動きに合わせて利率が変わり、月々の返済金額が必ずしも一定とはなりません。一方でカーリースの場合は車の利用料なので金利という概念はなく、支払い金額は常に一定です。
なお、固定金利のカーローンもカーリースと同様に支払い金額は変動しないので、カーローンとカーリースの違いというよりは変動金利のカーローン特有の違いということになります。
月々の支払い以外の請求
カーローンは車の購入費用を分割して返済するものであり、車が自分のものになるためローン会社からの追加請求はありません。一方でカーリースの場合はリース会社の資産である車を借りるため、契約満了後に返却された車の状態や走行距離によってリース会社から追加請求をされることがあります。
3-2.車の利用に関する違い
車の所有権
車を購入するしくみであるカーローンでは、車の所有権は契約者自身になります(ディーラー系ローンでは返済期間中は信販会社に所有権が留保される)。一方、カーリースはリース会社の車を借りるしくみであるため、当然ながら車の所有権はリース会社となります。
所有権の差異が車の使い方に直接影響はしませんが、上記の「費用に関する違い」で述べた維持費用は車の所有権に基づいて請求されるため、カーリースではそうした煩わしさを感じることなく車を使うことができます。
車の利用制限、車のカスタマイズ
カーローンでは、月々の返済期間中であっても車は契約者自身のものなので、車の利用やカスタマイズに制限はかからず、契約者の好みに合わせ自由に車を使うことができます。しかしカーリースの車はリース会社の資産であり、契約満了により返却された車は再度資産として活用しますので、返却時点での資産価値となる残価を担保するために走行距離制限が設けられています。
車のカスタマイズについても、ボディや内装に傷がついたり穴が空いたりするようなものなどは車の資産価値を損ねるため、契約満了時に元の車両状態に戻せる範囲のカスタマイズに限られます。
契約満了後の車の取扱
これまで何度か述べており改めて説明する事でもないかもしれませんが、カーローンは車の購入費用を分割支払いするしくみであるため、完済後ももちろん自分の車として引続き利用できます。これに対しカーリースはリース会社の資産としての車を月々の支払いで借りるしくみなので、契約満了後は車をリース会社へ返却しなければなりません。
契約満了後に延長契約が可能なこともありますが(いわゆる「再リース」)、最終的には車をリース会社へ返却することとなります。
カーローンの様に車を使えるカーリース
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4.カーローンとカーリース、それぞれに向いている人
車を購入するための契約であるカーローンと、期間を決めて車を借りる契約であるカーリース、どちらを選ぶか検討するときの材料として、それぞれのサービスにどのような人が向いているかを解説します。
4-1.カーローンに向いている人
そのため、下記で述べるような車にこだわりのある人はカーリースではなくカーローンに向いているでしょう。
好きな車に長く乗りたい人
自分の好きな車にずっと乗り続けたいという人はカーローンに向いているといえます。カーリースでは契約満了後に車をリース会社へ返さなくてはならず、好きな車に乗ることはできても契約期間を超えて乗り続けることはできません。
その点カーローンであれば、完済後も引き続き車に乗り続けることができます。
車を自由に使いたい人
車を自由に使いたい人もカーローンに向いているといえます。カーリースの車はリース会社の資産であるため、契約で走行距離制限が設けられていたり、車のカスタマイズは契約満了後の返却を前提に実施する必要があったりと、必ずしも好きなように車を使えるわけではありません。
自分の車を持つ以上そういった制限を受けずに使いたいという人は、カーリースではなくカーローンを選ぶべきでしょう。
4-2.カーリースに向いている人
下記で述べるような気軽に車を持ちたい人はカーローンではなくカーリースに向いているでしょう。
車に特有の突発的な支出を無くしたい人
車を持つ上で必ず発生する、多額の初期費用や定期的に発生する固定費用といった突発的な支出を無くしたい人はカーリースに向いているといえます。カーローンでは初期費用を月々の支払いに均すことはできますが、定期的に発生する固定費用は含まれないため常に費用の捻出や支払いに対応しなければなりません。
カーリースなら、初期費用に加え契約期間中に発生する固定費用は全て月々定額のリース料に均すことができます。
車に関する支払いの煩わしさを無くしたい人はカーリースが向いているでしょう。
色々な車に乗りたい人
色々な車に興味があり、短期間で乗り換えたいという人もカーリースに向いているといえます。カーローンでも返済期間を短くすれば色々な車に乗り換えることはできますが、車を購入する契約なので車両本体価格を全額支払う必要があり、金銭面の負担が大きくなります。また、完済後に車を手放す手間もかかります。
カーリースの場合、契約に含める車両本体価格は契約期間に応じた残価を差し引いており、カーローンと比較し短期間で乗り換えるときの金銭面の負担は少なくなります。
また、契約満了後は車をリース会社へ返却すれば良いので、乗り換えの手間も少なくなります。
なお、カーリースに向いている人はどんな人なのか、下記記事で詳しく解説しています。ぜひお読みください。
5.カーローンかカーリースか決めきれない時は
カーローンとカーリースはどちらも月々の支払いで車を持つ方法ですが、それぞれが異なる特長を持っています。
車にこだわりがある人はカーローンの方が、気軽に車を持ちたい人はカーリースの方がそれぞれ向いているといえますが、本記事を見てもまだどちらを選ぶか決めきれないという人もいるでしょう。
また、決して安価ではない車を持つ以上どちらか一方ではなく両方を満たしたいとも考えるのではないでしょうか。
そこでオススメしたいのがオリックスカーリースです。
オリックスカーリースでは、契約期間の長いプランについては設定残価を0円とすることで契約満了後に車をそのまま自分のものにすることを可能としています(新車5年契約「いまのりくん」は除きます)。
残価が0円なので、契約満了時の走行距離精算を気にしたりカスタマイズを控えたりする必要なく、自由に車を使うことができます。
そのうえ、契約中の固定費用の捻出や支払い手続きに煩わされないというカーリース本来のメリットも受けることができるため、カーローンとカーリースの良いとこ取りができるのです。
また、契約の途中で別の車に乗り換えたくなった場合は、残り期間が2年になったらそれ以降「いつでも」「解約金なしで」リース契約を解約し車を返却することが可能となっています(新車5年契約「いまのりくん」は残り期間が3年になったら解約OK。中古車契約は解約不可)。
さらに、契約期間中オリックスの提携工場で車検やオイル・エレメントの交換を無料で実施できるクーポンが付きますので、固定費用に加えこうした維持費用も抑えることができます。
車へのこだわりと気軽さの両方を叶え、満足して車を持つことができるサービスです。
<表> カーローンとカーリースの良いとこ取りができるオリックスカーリース
カーローン | カーリース | オリックスカーリース (契約満了まで車を利用した場合) |
|
---|---|---|---|
費用に関する違い | |||
初期費用 | 不要 | 不要 | 不要 |
維持費用 | 全て自身で費用捻出・支払が必要 | 税金など固定費用の捻出・支払は不要 | 税金など固定費用の捻出・支払は不要 |
メンテナンス費用 | 自身で費用捻出・支払が必要 | 自身で費用捻出・支払が必要 (契約に含む場合もある) |
車検、オイル・エレメント交換は無料クーポンが付いてくる |
支払金額の変動 | 変動金利の場合は変わる | 契約期間中は変動しない | 契約期間中は変動しない |
月々の支払以外の請求 | なし | 走行距離や車両状態によっては契約満了時に追加請求が発生する | 走行距離や車両状態による請求はなし(※1) |
車の利用に関する違い | |||
所有権 | 銀行系:自分 ディーラー系:信販会社に留保 |
リース会社 | リース会社 |
車の利用制限 | なし | 契約期間中の走行距離制限がある | 制限なし(※1) |
車のカスタマイズ | 自由に行うことができる | 車両返却時の原状回復が可能な範囲でのみ可能 | 自由に行うことができる(※1) |
契約途中での解約 | 不可 | 不可 | 残り期間が2年になったら可能(※2) |
契約満了後の車の取扱 | 自分の所有車として継続利用可能 | リース会社へ返却する | 自分の所有車として継続利用か返却かを選択可能(※1) |
(※1)新車7年契約「いまのりセブン」、9年契約「いまのりナイン」、11年契約「いまのりイレブン」、並びに中古車契約が対象となります。新車5年契約「いまのりくん」は対象となりません。
(※2)新車5年契約「いまのりくん」は残り期間が3年になったら解約可能です。また、中古車契約は解約ができません。中途解約の際は返却いただく車両の状態や走行距離によって追加請求が発生する場合があります。
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残り期間が2年になったら解約して別の車へ乗り替えることもでき
契約が満了したらそのまま車をもらえるプランもあります。
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6.カーローンとカーリースの違いに関するよくある質問
カーローンとカーリースの違いに関し、よくある質問をまとめました。
6-1.カーローンとカーリースの違いは何ですか?
どちらも月々の支払いで車を持つ方法ですが、カーローンは車の購入費用の分割払いなので自分の車として自由に使えますが、税金などの固定費用は捻出しなければなりません。一方でカーリースは車を借りる利用料の支払いなので固定費用も含まれますが、車の利用には一部制限がかかり、契約満了後も自分の車になりません。
6-2.カーローンとカーリースのどちらがお得ですか?
好きな車に長く乗りたい、カスタマイズを自由に行いたいなど、車にこだわりがある人はカーローンがお得といえます。一方で、車に特有の突発的な支出を無くしたい、色々な車に乗り換えたいなど、気軽に車を持ちたい人はカーリースがお得といえます。
7. まとめ
カーローンとカーリースはどちらも月々の支払いで車を持つ方法ですが、カーローンは車の購入費用の分割払いである一方でカーリースは車を借りて使う利用料の支払いであるという大きな違いがあります。
そのため、それぞれの特長やメリット・デメリットが異なり、向いているケースにも違いが見られます。
車を持つうえで、まずは目的や車の使い方などを考えると思いますが、加えて本記事で解説したことも踏まえながら、ご自身に合った車の持ち方を検討すると良いでしょう。
本記事をお読みいただいた皆様が、満足して車を持つことができるようお祈りしています。
執筆者
「オリックス・カーリース・オンライン」編集部
- <公開日>2022年6月10日
- <更新日>2024年7月3日