カーリースは、まとまった初期費用や契約期間中に発生する税金・自賠責保険といった固定費用を月々定額のリース料に均して支払い、好きなクルマを乗りたい期間だけ持つことができるサービスです。
クルマを持つにあたっては最初に百万円台という多額の費用が必要であり、持っているあいだ発生し続ける固定費用も定期的に用意しなくてはなりませんが、そういった心配なく気軽にクルマを持てるのがカーリースの魅力です。
ところがカーリースについて調べると、インターネットの検索結果画面で「カーリース デメリットだらけ」をはじめとしたネガティブなキーワードが並ぶなど、検討をためらってしまうような情報が目立ちます。
本記事をご覧いただくまでに、こうしたネガティブな情報を多く目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、「カーリースはデメリットだらけ」ではなく、カーリースにどういったデメリットがあるのかについて皆さまにご理解いただければと思い、本記事を執筆しました。
デメリットの内容のほか、それらとどう向き合うかの捉え方についてもまとめていますので、ぜひ最後までお読みいただき、カーリースへのご理解を深めていただければと思います。
■先にカーリースの詳細を知りたい方はこちら
カーリースとは?特徴やメリット・デメリットなどを詳しく解説!
【目次】
1.これだけある!カーリースのデメリット
この数だけでもデメリットだらけと言われる理由として十分かもしれませんが、カーリースには下記のデメリットがあります。
・総支払額が高くなることがある
・走行距離の制限がある
・クルマのカスタマイズが制限される
・事故を起こしたときのリスクが大きい
・契約期間の途中で解約することができない
・クルマは自分のものにならない
・クルマの返却時に残価精算が行われることがある
まずはこれらのデメリットについて一つ一つ解説します。
総支払額が高くなることがある
カーリースは、現金やローンといった購入方法と比べ総支払額が高くなることがあります。
初期費用やクルマを持っているあいだの固定費用(=税金・自賠責保険料)の金額は他の購入方法と変わりません。
しかし、現金での購入と違い月々の支払いを行うため、その手数料もリース料に含まれています(ローンでいう金利に近いイメージです)。
さらに、ローンとは違いクルマを持っているあいだの固定費用も含まれており、そのぶん月々の支払いにかかる手数料は増えるため、カーリースは総支払額が高くなることがあるのです。
なお、カーリースではリース料計算の際に車両本体価格から残価を差し引きますが、昨今では契約期間の長いカーリース商品(=残価が非常に少ない、あるいは0円)が主流となっており、カーリースの総支払額が高くなる傾向がより強くなっています。
走行距離の制限がある
カーリースでは、月間あるいは年間の単位で契約期間中の走行距離の制限が設けられています。
契約期間中に走行距離の確認はしていませんが、契約期間満了あるいは止むを得ない事情による中途解約でクルマを返却する際、リース会社はクルマの走行距離が「走行距離制限×契約期間」を超えているかを確認します。
これは走行距離精算とも呼ばれており、クルマの走行距離が制限を超えていた場合は超過距離に応じた精算金をリース会社から請求するため、走行距離に注意しながらクルマを利用しなくてはなりません。
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クルマのカスタマイズが制限される
クルマはリース会社から借りているものなので、返却の際には納車時点の状態に戻す(=原状回復)必要があり、カスタマイズやドレスアップは原状回復が可能な範囲に制限されます。
通常の使用や経年劣化の範囲を超える損耗や、原状回復のできない車体や内装の損傷がある状態でクルマが返却された場合、失われたクルマの価値に相当する損害金をリース会社からお客さまへ請求しています。
そのため、カーリースでは現金やローンで購入したクルマと同じように自由にカスタマイズすることはできません。
事故を起こしたときのリスクが大きい
リース会社から借りているクルマであるため、事故を起こしたときのリスクも大きくなります。
例えば、ご自身のクルマでは事故による傷や凹みを程度によっては修理せず乗り続けることもあるかもしれませんが、こうした傷や凹みは通常の使用や経年劣化の範囲ではない損傷であり、そのまま返却すればリース会社から損害金の請求を受けることになります。
また、事故により万が一クルマが全損となってしまった場合は借りているクルマを失ったことになり、多額の損害金を請求されることになります(これは、クルマが盗難に遭い発見できない場合にも当てはまります)。
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カーリースの車で事故を起こしたら?契約への影響や事故時の対処法を解説
契約期間の途中で解約することができない
契約期間の途中でクルマが不要になったとしても、基本的にはリース契約の中途解約はできません。
やむを得ない理由があるとリース会社が認めた場合のみ例外的に中途解約が可能になりますが、その場合も残りのリース料総額をベースとした中途解約金の一括支払いが条件となります。
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カーリースが中途解約できないのはなぜ?理由や解約可能なケースなどを解説
クルマは自分のものにならない
クルマはリース会社から借りているものなので、自分のものにすることはできません。
契約期間の満了後に契約を延長して利用継続することは可能ですが、最終的にリース会社へ返却しなくてはなりません。
クルマの返却時に残価精算が行われることがある
契約したカーリースが「オープンエンド」に該当する場合に限られますが、クルマの返却時に残価精算が行われます。
オープンエンドは、あらかじめ残価を契約者へ開示し、クルマの返却時に実査定額(あるいは売却額)と残価との差額を精算する「残価精算」を行う契約方式で、実査定額が残価より低ければ差額をリース会社へ支払う必要があり、逆の場合はリース会社から差額が返金されます。
これだけ見ると一概にデメリットとは言い切れませんが、契約時と返却時の中古車相場の違いに左右されます。
特に注意が必要なのは、オープンエンドのカーリースでは月々のリース料を抑えるために残価が高めに設定されるケースがあり、これが将来的に差額精算のリスクに直結するという点です。
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カーリースの残価設定とは?しくみや注意事項などを徹底解説!
2.カーリースのデメリットはなぜ発生するのか
カーリースの仕組みを簡単に説明すると、契約者が好きなクルマと乗りたい期間を選び、そのクルマをリース会社が購入し、月々のリース料で契約者へ貸し出す、というものになりますが、この仕組みの中にカーリースのデメリットの発生要因が潜んでいます。
クルマは契約者の希望に沿って購入したもの
カーリースでは、契約者が自分の希望に沿って選んだクルマをリース会社が購入しますが、クルマの購入価格はそのクルマを選んだ契約者本人から月々のリース料で回収する必要があります。
そのため、契約期間中に解約をすることができないのです。
もし契約期間中の解約を認めてしまうと、購入価格を回収できていない状態のクルマがリース会社の手元に残ってしまうことになります。
クルマはリース会社の資産である
カーリースのクルマはリース会社の資産であり、契約が終わったらリース会社へ返却しなければならず、契約者のものにすることはできません。
また、返却されたクルマをリース会社は引き続き資産として活用するため、資産価値(=残価)を保たなくてはなりません。
返却されたクルマが過走行状態であったり、契約者の使い方や事故によって損傷していたりすると資産価値は下がってしまうため、走行距離を制限し、事故による損傷の修理を含め原状回復をしての返却を義務づけているのです。
3.なぜカーリースはデメリットだらけといわれるのか
デメリット自体の数の多さもありますが、カーリースにはクルマを持つ選択肢として現金やローンでの購入とは根本的に違う部分があり、それがデメリットだらけといわれる理由になります。
自分の好きなクルマに乗りたい期間だけ乗れる、という点では同じなのですが、自分のクルマとして所有するための現金あるいはローンでの購入であることに対し、カーリースは一定期間クルマを借りて利用するものという点が根本的に違います。
リース会社から一定期間借りているクルマであるために、走行距離やカスタマイズは制限され、他のクルマに乗り換えたくても途中で解約ができず、おまけに契約期間が満了したら返却しなければなりません。
このように、カーリースは「クルマを持つ自由度」が契約内容に左右されるという特徴があるため、現金やローンで購入する場合と比べて「デメリットだらけ」と評価されがちなのです。
4.カーリースのデメリットの捉え方
ここまでカーリースのデメリットや「デメリットだらけ」といわれている理由について解説しましたが、はじめに解説した7つのデメリットが全て当てはまることは基本的になく、避けることができるデメリットも存在します。
ここからご紹介する「デメリットの捉え方」を理解していただくことで、「デメリットだらけ」といわれるカーリースについても前向きに検討しやすくなるかもしれません。
契約期間の長短で変わるデメリットもある
カーリースでは車両本体価格から残価を差し引いてリース料を計算しますが、残価は契約期間満了時点で見込まれるクルマの価値なので契約期間の長さに反比例します。
そのため、契約期間が短い場合はある程度の残価がつき車両本体価格から差し引かれるため「総支払額が高くなることがある」には必ずしも該当しません。
また、市場価値が残らない車種が多くなる7年以上の契約では一律で残価を0円に設定している商品もあり、その場合は契約期間満了後にクルマをそのままもらえることがあるため、「クルマは自分のものにならない」に該当しづらくなります。
走行距離制限はクルマの使い方によってデメリットにならない
クルマを使う頻度や時間は千差万別で、通勤や家族の送迎などで頻繁に使う人もいれば週末のレジャーがメインという人もいるでしょうし、使用時間も移動先までの距離によって変わります。
カーリースの走行距離制限の設定値は商品によって違うため、ご自身のクルマの使い方を考えそれにあった商品を選ぶことができれば「走行距離の制限がある」は必ずしも当てはまるものではありません。
【参考】
1ヶ月を30日間、その間に到来する週末の数を5回と仮定し、カーリースで最も一般的な走行距離制限である1,000km/月で単純計算したところ、毎日クルマを使う場合でも1日あたり約30km、週末のレジャーがメインの場合でも片道約100~120kmの場所を毎週往復するという使い方ならば走行距離制限は超過しない、ということになります。
どうしても避けられないデメリットもある
ただし、「契約期間の途中で解約することができない」「事故を起こしたときのリスクが大きい」のデメリットは捉え方で変わるものではないため、どうしても避けることができません。
なお後者については、購入やローンのときにも検討すると思いますが車両保険がついた任意保険に加入することでリスクの軽減を図ることが可能です。
なお、「クルマのカスタマイズが制限される」点については、契約期間満了後にクルマをもらえるプランを選べば制限を受けずに済む可能性があります。ただし、そうしたプランは契約期間が長期に設定されていることが多く、契約期間中のライフスタイルの変化によりやむを得ず中途解約を検討せざるを得ない状況が生じる可能性も高くなります。
そのため、原状回復を考慮すると避けられないデメリットといえるかもしれません。
デメリット | 捉え方 |
---|---|
総支払額が高くなることがある | 契約期間が短い場合は残価がつくため避けることが可能 |
走行距離の制限がある | 商品によって設定値が違うため、クルマの使い方にあった商品を選べば避けることが可能 |
クルマのカスタマイズが制限される | クルマをもらえる商品なら避けることが可能だが、止むを得ず中途解約する場合は原状回復が必要 |
事故を起こしたときのリスクが大きい | 避けることはできないが、車両保険つきの任意保険に加入することでリスクの軽減が可能 |
契約期間の途中で解約することができない | 避けることはできない |
クルマは自分のものにならない | クルマをもらえる商品なら避けることが可能 |
クルマの返却時に残価精算が行われることがある | オープンエンドでなければ避けることが可能 |
5.デメリットを減らせる安心のカーリース
7つのデメリットが全て当てはまることはないものの、避けられないデメリットは残ります。
オリックスカーリースの新車リースプラン「いまのり」シリーズは、次に述べるような特長によりデメリットを少しでも減らし、安心できるカーリースとして永く選ばれ続けています。
契約期間の途中で解約が可能
「いまのり」シリーズは、契約期間が残り2年になってからはいつでも中途解約金の支払いなしで解約してクルマを返却することが可能です(5年契約「いまのりくん」は残り3年になってから解約可能)。
どうしても避けられない「契約期間の途中で解約することができない」を避けられることはもちろん、中途解約と同時に別のクルマで新たにカーリースを契約することも可能です。
安心の走行距離制限
「いまのり」シリーズは、走行距離制限を月2,000kmに設定しています。
ライフスタイルの変化に応じクルマの使い方も変わることもありますが、そうした変化に対応しやすくするために一般的なカーリース商品よりも多い走行距離制限を設定しています。
契約期間満了後にクルマをもらえるプランも
5年契約の「いまのりくん」を除き、契約期間満了後にクルマをそのまま自分のものにすることが可能です。
契約期間満了まで乗り続ければ、「クルマは自分のものにならない」というデメリットを避けることができます。
デメリット | 捉え方 | オリックスカーリースの場合 |
---|---|---|
総支払額が高くなることがある | 契約期間が短い場合は残価がつくため避けることが可能 | 同左 |
走行距離の制限がある | 商品によって設定値が違うため、クルマの使い方にあった商品を選べば避けることが可能 | 安心の2,000km/月設定 |
クルマのカスタマイズが制限される | クルマをもらえる商品なら避けることが可能だが、止むを得ず中途解約する場合は原状回復が必要 | 同左 |
事故を起こしたときのリスクが大きい | 避けることはできないが、車両保険つきの任意保険に加入することでリスクの軽減が可能 | 同左 |
契約期間の途中で解約することができない | 避けることはできない | 一定期間が経過したら解約金なしでいつでも解約ができる |
クルマは自分のものにならない | クルマをもらえる商品なら避けることが可能 | 同左 |
クルマの返却時に残価精算が行われることがある | オープンエンドでなければ避けることが可能 | オープンエンドではないため、心配なし |
デメリットを減らせるカーリース
オリックスカーリースの「いまのり」シリーズは、
デメリットが少なく安心のカーリースとして選ばれ続けています!
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6.まとめ
カーリースのデメリットを完全になくすことはできませんが、契約内容やご自身のクルマの使い方によって避けることができるデメリットもあります。
各デメリットが自分にとって本当にデメリットとなるのかをよく見極めることで、「デメリットだらけ」という見方に対する印象も変わってくるはずです。
本記事がその一助となり、カーリースをご検討いただくきっかけとなれば幸いです。
執筆者
オリックスカーリース コラム編集部
- <公開日>2022年11月30日
- <更新日>2025年4月9日