2023年に一番売れた人気の車は?年間販売台数ランキングを紹介!

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“売れ筋ランキング”というのは、なんだかんだで役立つ指標です。売れている=多くの人に支持されている商品には、おおむね必ず「売れているだけの理由=美点」があるからです。自分がさほど詳しくはないジャンルにおいて、やみくもに勘だけで商品を選ぶよりも、売れ筋ランキングを参考にした場合のほうが、買い物の成功率は格段に高まるでしょう。

では「車」の場合は今年、どんなモデルがよく売れたのでしょうか? そしてそのモデルが数多くのユーザーに支持されている“理由”は何なのでしょうか?

日本自動車販売協会連合会、並びに全国軽自動車協会連合会が発表した2023年1~12月の自動車販売台数ランキングTOP10を紹介しつつ、それぞれが売れている理由をご説明いたします。

通常、車の販売台数ランキングというのは登録車(いわゆる普通車)と軽自動車とで別々に集計され、別々に発表されます。普通車と軽自動車では、それぞれを統括する業界団体が異なるからです。

しかしそんなことは我々ユーザーには関係ありませんので、ここでは普通車と軽自動車をひっくるめた「真の販売台数ランキング」を集計してみることにします。

ランクイン車種一覧

2023年1~12月の販売台数TOP10は以下のとおりとなりました。
2023年上半期の販売台数ランキングと比べてみるとあまりラインナップは変わっていないものの、順位に変動があったり、上半期のTOP10にはなかった車が一部ランクインしているなどの動きがありました。

後ほど各車種の特徴や人気の理由について1台ずつ順番に解説していきますが、以下の表で特定の車種名をクリックするとその車種の解説までジャンプすることができます。

順位 車名 販売台数
1
ホンダ N-BOXホンダ N-BOX
23万1,385台
2
トヨタ ヤリストヨタ ヤリス
19万4,364台
3
ダイハツ タントダイハツ タント
15万9,392台
4
トヨタ カローラトヨタ カローラ
15万4,870台
5
トヨタ シエンタトヨタ シエンタ
13万2,332台
6
スズキ スペーシアスズキ スペーシア
12万2,275台
7
ダイハツ ムーヴダイハツ ムーヴ
10万4,557台
8
日産 ノート日産 ノート
10万2,508台
9
トヨタ ルーミートヨタ ルーミー
10万0,800台
10
トヨタ プリウストヨタ プリウス
9万9,149台

※ 上記の台数は同一車名のものを合算して集計しています(ヤリス、カローラ、タント、ムーヴ、スペーシア)。また、一部教習車などを含みます。

出典:
乗用車ブランド通称名別順位 | 統計データ | 一般社団法人日本自動車販売協会連合会
2023年12月 軽四輪車 通称名別 新車販売確報 – 一般社団法人 全国軽自動車協会連合会

第1位~第3位

それでは、2023年の1年間で最も売れた10車種の紹介、ならびに売れている理由について解説していきましょう。
まずは、第1位~第3位から見ていきます。

 第1位:ホンダ N-BOX(23万1,385台)

ホンダ N-BOX

昨年に続いて2023年も、ホンダ N-BOXが「日本で一番売れている車」の座を射止めました。

ホンダ N-BOXは「軽スーパーハイトワゴン」と呼ばれるタイプの、非常に背が高いボディにスライドドアを組み合わせている軽自動車。軽スーパーハイトワゴンは今、軽のなかでは一番人気のジャンルであり、そのなかでもホンダ N-BOXは長きにわたって一番人気のモデルであり続けています。

ちなみにホンダ N-BOXは2023年10月にフルモデルチェンジを実施して3代目に進化しました。モデルチェンジの内容は「キープコンセプト」といえるもので、デザインや基本骨格などを大幅に変更したわけではありません。しかしほぼすべての部分をみっちり細かくブラッシュアップさせたことで、よりいっそう「使える軽スーパーハイトワゴン」へと進化したのです。

軽スーパーハイトワゴンというジャンル自体が活況を呈している理由は、スペパ(スペースパフォーマンスという、筆者が勝手に作った造語)が非常に優れているからということにほかなりません。

軽規格に準拠しているため全長と全幅はさほど長くも広くもないのですが、限られたスペースをきわめて効率的に使い、そこに「圧倒的な背の高さ」を組み合わせているため、軽スーパーハイトワゴン各車はとにかく車内の居住空間が広いのです。

そしてそんな広い居住空間は、普通乗用車のSUVなどで実現させようとすると車両価格400万円ぐらいにはなってしまいますし、メルセデス・ベンツ Sクラスなどの大柄な高級輸入車では1500万円を軽く超えることになります。しかし軽スーパーハイトワゴンであれば、ベンツSクラスなどと(ある意味)同じ広大な空間を、ものの200万円ぐらいで入手できてしまうのです。となれば、子育て世代などがその“スペパ”の良さに引かれるのは、ある種当たり前のことだといえるでしょう。

そんな特徴を持つ軽スーパーハイトワゴンのなかでもホンダ N-BOXが特によく売れているのは「デザインが良いから」というのと、「売れているから売れている」というのが理由になります。

今や各社の軽スーパーハイトワゴンは、使い勝手や走行性能に関してはほとんど差がありません。どんなメーカーのどんな車種であっても使い勝手は抜群ですし、走りや先進安全装備の内容もおしなべて良好です。

そんななかでホンダ N-BOXは「シンプルで上質な雑貨風」とでもいうべきデザインが内外装に採用されており、昨年10月に登場した新型では、その傾向がより強まっています。そのため、より多くのユーザーから選ばれているのです。

そして2番目の理由である「売れているから売れている」というのは、身も蓋もない話ではあるのですが、「今売れてます!」という商品は何であっても実際よく売れますし、車の場合、一番人気のモデルには「売却するときも高値が付きやすい」という特徴があります。そうであるがゆえにホンダ N-BOXは「売れているから売れる」という、いわば誰にも止められない好循環に突入しているのです。

ホンダ N-BOXの好循環はまだまだ続くでしょうし、実際、買って間違いのない便利な車であることは間違いありません。

■ホンダ N-BOX 2023年10月のフルモデルチェンジに関する記事はこちら
「ホンダ N-BOX&N-BOXカスタム」絶対王者は迷わず正常進化
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第2位:トヨタ ヤリス(19万4,364台)

トヨタ ヤリス

いわゆる普通車で今一番売れているのが「トヨタ ヤリス」です。

上記の数字はコンパクトハッチバックである「ヤリス」とコンパクトSUVの「ヤリス クロス」、そして希少なスポーツモデルである「GRヤリス」との合算値で、2023年1~12月の販売比率は「ヤリス クロスが5割強でヤリスが4割強、そしてGRヤリスが少し」というニュアンスであった模様です。

やや特殊なスポーツモデルである「GRヤリス」を除くハッチバックとSUVのヤリスがよく売れている理由は、「総合力が高いのに価格はけっこう安いから」ということに尽きます。

TNGAという考え方にもとづいた新世代の車台を採用しているヤリスおよびヤリス クロスは、どちらも走行性能は大いに優秀で、自動ブレーキやレーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)などがセットになった「Toyota Safety Sense」は全車標準装備。そして特にハイブリッド車は「抜群!」としか言いようのない低燃費を誇り、ナンバーワンメーカーの人気ナンバーワン車種だけあってリセール価格も安定しています。

つまりは「総合力が高い」ということなのですが、それでいて、標準グレードであれば車両価格は200万円台の前半。……となればもう、人気にならないはずがないのです。

ヤリスもヤリス クロスも「後席がやや狭い」という欠点はありますが、もしもそこがさほど問題にならない使用環境であるならば、ヤリスシリーズは「誰にとっても間違いのない手堅い選択肢」であると言えます。

第3位:ダイハツ タント(15万9,392台)

ダイハツ タント

※ダイハツ工業からの発表のとおり、タントは新規生産・出荷を停止しております。ご検討の際はご注意下さい。

認証不正の問題でちょっと大変なことになっているダイハツではありますが、不正問題を受けて全車出荷停止となるまでは、同社の軽スーパーハイトワゴンである「タント」シリーズは非常によく売れていました。

ダイハツ タントは、「背が高くてスライドドアも付いている」という軽スーパーハイトワゴンならではの特徴についてはホンダ N-BOXと同様なのですが、タントはそれに加えて「ミラクルオープンドア」という、他のモデルにはない個性を備えています。

ミラクルオープンドアとは、要するに助手席側のセンターピラー(中央の柱)がないため、左側の前後ドアを開けた際の開口部が圧倒的に広くなる=人の乗り降りや荷物の出し入れが圧倒的にやりやすくなる――という機構です。


正確には、タントのセンターピラーは「ない」のではなく「ドアに内蔵されている」ということなのですが、いずれにせよ、タントはこのミラクルオープンドアによって独自の個性を形作り、子育て世代を中心に支持を集めていました。また2022年10月のマイナーチェンジで、上級ラインである「タント カスタム」のフロントまわりのデザインが押し出し感の強いものに変更され、同時に「タント ファンクロス」というSUV風味のモデルが追加されたことも、ダイハツ タントシリーズの販売が好調であった理由でしょう。

とはいえ現在(2024年3月上旬時点)は、すべてのタントシリーズが出荷停止となっています。

第4位~第6位

次に、第4位~第6位の車種を見ていきましょう。

第4位:トヨタ カローラ(15万4,870台)

トヨタ カローラ

2023年、4番目によく売れたのはトヨタ カローラでした。カローラというと、その昔はシンプルでやや地味なセダンのみをラインナップしていましたが、現在は,

・4ドアセダンの「カローラ」
・ステーションワゴンの「カローラ ツーリング」
・5ドアハッチバックの「カローラ スポーツ」
・SUVの「カローラ クロス」

という4本立てのラインナップに変わっていて、そのほかにも「GRカローラ」というやや特殊なスポーツモデルがあります。さらには旧型をそのまま継続販売している「カローラ アクシオ(5ナンバーサイズのセダン)」と「カローラ フィールダー(5ナンバーサイズのステーションワゴン)」もありますので、上記の15万4870台という販売台数は、これらすべての合算値です。

トヨタ カローラ

ちなみに各モデル販売比率はSUVの「カローラ クロス」が4割強で、ステーションワゴンの「カローラ ツーリング」が3割弱。そしてカローラセダンが約1割で、ハッチバックの「カローラ スポーツ」は1割弱であるとのこと。そして旧型である「カローラ フィールダー」と「カローラ アクシオ」も、合わせて1割以上の販売比率を今なおキープしているようです。

主に法人ユーザーに向けて旧型が継続販売されているカローラ アクシオとカローラ フィールダーは少し事情が異なりますが、それ以外の現行世代のカローラシリーズはどれも「現代的なデザインセンス」と「十分な走行性能」「十分な安全装備や燃費性能」を、「比較的手頃なプライス」にて実現させているというのが大きな特徴です。

つまり、例えばステーションワゴンのカローラ ツーリングで言うと、カローラ ツーリングよりも各種の実力が上なステーションワゴンは世界中にいくつもあるでしょう。しかし「最上級グレードでも285万円~」というプライスのなかで、カローラ ツーリング並みの諸性能と信頼性を実現させているモデルはほとんどない――ということです。

アクシオとフィールダーを除く現行型モデルであれば、好みや使用目的に応じてどのボディタイプを選んだとしても、「きわめてお値打ちである!」という結論になることでしょう。

第5位:トヨタ シエンタ(13万2,332台)

トヨタ シエンタ

トヨタ シエンタは5ナンバーサイズのコンパクトミニバン。2022年8月に3代目(現行型)へとフルモデルチェンジされ、その納車が本格化された2023年上半期は前年比260.4%という勢いで売れまくりました。同年の下半期の売れ行きはさすがにやや鈍化しましたが、通年で見ると前年比192.0 %という立派な成績を残しています。

現行型のシエンタがよく売れている理由は、まずは「程よいサイズ感」と「しゃれたデザイン」という2つです。通常、3列シートのミニバンというのはシエンタの全長4,260mm×全幅1,695mm×全高1,695mmというサイズよりも大きい場合がほとんどなのですが、世の中には「そこまで大きい必要はない」と考えるファミリーユーザーもけっこう多いものです。

トヨタ シエンタは、そういった「ミニバンは必要だが、大きいのは嫌」というニーズを絶妙なパッケージングですくい取り、さらには、ちょっとヨーロッパ車を感じさせる素敵なデザインによってダメ押しをしました。

そしてさらなるダメ押しとして「最新のToyota Safety Sense(予防安全パッケージ)が全車標準装備である」「ハイブリッド車は抜群に低燃費である」「ハイブリッド車でも車両価格242万円~である」などの魅力も存在しているため、シエンタは2023年、大いに売れたのです。

第6位:スズキ スペーシア(12万2,275台)

スズキ スペーシア

スズキ スペーシアは、1位のホンダ N-BOXや3位に入ったダイハツ タントなどと同じ「軽スーパーハイトワゴン」というジャンルに属する軽自動車。「背の高いボディとスライドドアがもたらす抜群の居住性と実用性」という部分に関してはN-BOXおよびタントとおおむね同等の魅力を有しており、「背が高い割に走りは安定している」という点についてもほぼ同様です。

そしてスズキ スペーシアは、昨年11月途中まで販売された先代の標準モデルにおいては「スーツケースをモチーフとしたシンプルでハイセンスな内外装デザイン」が魅力となり、上級ラインのカスタムは「ギラギラ系で押し出し感の強いフロントマスク」が、ある種のユーザーに支持されました。さらに「スペーシア ギア」というシリーズでは、今流行りのSUV風デザインと、外遊びに向いているさまざまな機能や仕様を取り入れています。

そんなスズキ スペーシアは2023年11月22日にフルモデルチェンジされ、標準モデルのデザインモチーフはスーツケースから「コンテナ」に変更。そしてカスタムは、それまでのモデルが目指してきた「押し出しの強さ」からは一歩離れ、上質感や存在感、華やかさを前面に出すデザインへと変更されました。また各種の使い勝手はさらに向上し、先進安全装備の機能も大きく向上しています。

新型スペーシアのデリバリーが本格化するのはまだこれからですが、上位に入ったホンダ N-BOXやダイハツ タントと比べても遜色ない魅力と個性を備えている軽スーパーハイトワゴンであることは間違いありません。

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第7位~第10位

続いて、残る第7位~第10位の車種を見ていきます。

第7位:ダイハツ ムーヴ(10万4,557台)

ダイハツ ムーヴ

※ダイハツ工業からの発表のとおり、ムーヴキャンバスは新規生産・出荷を停止しております。ご検討の際はご注意下さい。

こちらもダイハツ工業の認証不正問題のため現在は出荷停止となっていますが、2023年中はよく売れた軽自動車でした。

ダイハツ ムーヴシリーズは、軽トールワゴンである「ムーヴ」と、軽スーパーハイトワゴンよりは少し背が低い「ムーヴ キャンバス」の2モデルで構成され、ムーヴのほうは2023年6月に生産を終了。その後は新型に切り替わる予定でしたが、不正問題の関係で新型の発売は無期限延期に。それゆえ、2023年のムーヴシリーズの販売台数を主に支えたのはムーヴ キャンバスです。

ダイハツ ムーヴ キャンバスは、通常のムーヴよりは少し背が高い、かといって高すぎはしない1,655~1,675mmという絶妙な全高を持つボディに、便利なスライドドアを組み合わせたという革新的な一台。「スライドドアはあったほうがいいけど、軽スーパーハイトワゴンほどの背の高さはむしろ不要」と考えるユーザーの心をとらえ、スマッシュヒットを記録しました。

またムーヴ キャンバスは「置きラクレイアウト」や「ラゲージアンダーボックス」などによる収納関係の便利さが光るのに加え、往年の「ワーゲンバス」を思わせるようなレトロで可愛いエクステリアデザインも、大人気となった理由です。(※2024年3月上旬現在は出荷停止中)

第8位:日産 ノート(10万2,508台)

日産 ノート

2023年中、いわゆるコンパクトカー(軽自動車ではない小さめなハッチバック車)のなかではトヨタ ヤリスの次によく売れたのが、こちら日産 ノートです。いや、トヨタ ヤリスの数字はSUVタイプのヤリス クロスなどを含む合算値ですから、純粋なコンパクトカーとしては日産 ノートが売れ行きNo.1のコンパクトカーだったのかもしれません。

2020年12月に発売された現行型の日産 ノートは、日産が「e-POWER」と呼んでいるハイブリッドシステムを採用。1.2Lエンジンを積んではいるのですが、このエンジンは駆動ではなく発電に徹していて、そこで生まれた電気で動くモーターが車を駆動させる――という方式です。

モーター駆動には「エンジン駆動よりも力強い」という特徴があるため、日産 ノートの走りは非常に力強く、それでいて静粛性も高いという素晴らしいものです。しかしそれに加えて、現行型の日産 ノートがよく売れている理由は「内外装のデザインセンスと質感が高い」というのと、「先進安全装備が充実している」という部分もデカいはずです。

通常、コンパクトカーというのはデザインや使っている部材の質感などが安っぽくなりがちなのですが(予算に制限があるため、致し方ない話です)、ノートのそれは「コンパクトカー離れしている!」と言っても過言ではないほど上質。「所有する歓び」みたいなものすら感じられるでしょう。

それに加えてノートには日産自慢の運転支援システム「プロパイロット」が用意されており、さまざまな危険を察知および回避支援してくれる「360°セーフティアシスト(全方位支援システム)」が全車標準装備となっています。

2024年1月26日にはマイナーチェンジが行われ、そのデザインはよりハイセンスなものとなっています。上質なデザインと上質な走り、そして最先端の安全装備を「小さな車」において実現させたいと考える人にとって、日産 ノートは最適と思える選択肢のひとつです。

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第9位:トヨタ ルーミー(10万800台)

トヨタ ルーミー

※OEM供給元であるダイハツ工業からの発表のとおり、ルーミーは新規生産・出荷を停止しております。ご検討の際はご注意下さい。

2016年11月に発売されたトヨタ ルーミーは、広々とした空間“Living”と余裕の走り“Driving”を掛け合わせた「1LD-CAR」がコンセプトのコンパクトトールワゴン。「ダイハツ トール」の姉妹車で、トヨタはダイハツからOEM供給を受けて販売していました。

ボディサイズは全長3,725mm×全幅1,670mm×全高1,735mmとコンパクトでありながら、室内空間広々としており、最小回転半径も4.6mと小回りも性能も抜群。後部座席にはワンタッチオープン機能付きパワースライドドアを採用し、シートアレンジも多彩です。そして車両価格も約156万円からと、非常にリーズナブル。

つまりトヨタ ルーミーパワーユニットは「安価でコンパクトだが、家族で使うにあたっては何ら不足はない車」を求めているユーザーにとってはジャストな存在で、それゆえ、発売から7年以上がたった今も堅調に売れていたのです。

しかし現在(2024年3月上旬)はダイハツ工業の不正問題の関係で、ダイハツからのOEM供給車であるトヨタ ルーミーは出荷停止となっています。

第10位:トヨタ プリウス(9万9,149台)

トヨタ プリウス

ハイブリッド車の代名詞ともいえるのがこちら、2023年1月にフルモデルチェンジされた5代目のトヨタ プリウスです。

ひと目でプリウスとわかる紡錘形(円柱状で中ほどが太く、両端が次第に細くなる形)は従来型から踏襲しつつ、そのうえでロー&ワイドなスタイリングと19インチの大径ホイールにより、スタイリッシュなプロポーションをかなり強調しています。

ちょっとスーパーカーっぽくもある新しいフォルムは「やりすぎ」との見方もあるようですが、ハイブリッド車という存在が当たり前となった今の時代、ハイブリッド車の元祖にしてイメージリーダーでもあるプリウスは、これぐらいぶっ飛んだカタチにするぐらいでちょうどいいのかもしれません。なんともカッコいいハイブリッド車です。

もちろん5代目プリウスは、デザインだけでなく中身も進化しました。プラットフォームには第2世代の「TNGA」が用いられ、2Lのハイブリッドユニットは先代比で1.6倍となるパワーを発生。スポーティな見た目に生まれ変わったプリウスにふさわしい動力性能が実現されていますし、その他の安全装備なども最新バージョンが採用されています。「燃費が良く、なおかつ先進的で先鋭的でもある」という車を求めている人には素晴らしい選択肢と言えるでしょう。

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まとめ

2023年中に人気だった車のランキングや人気の理由について解説してまいりました。基本的にはここ数年ランキング上位の常連となっていた人気車種が上位十傑を占めましたが、同じ車名であってもフルモデルチェンジを受けた車もあり、その個性や諸性能は数年前と大きく変わっている場合も多いものです。この記事を読んでいただき、お車をご検討される際の参考となりましたら幸いです。
2024年がスタートしましたが、1年が終わるころにはこのランキングがどう変わっていくのか、あるいは変わらないのか、楽しみにしながら見ていきたいと思います。
そしてもちろん、今回ランキングから漏れた車種にも魅力的な車種はたくさんありますので、それらの車種がランクインするようになれば、車選びはより楽しくなることでしょう。

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執筆者
伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。
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  • <公開日>2024年3月27日
  • <更新日>2024年3月27日