いま人気の車種は?2023年上半期の販売台数ランキングを紹介!

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そのジャンルについて「自分はかなり詳しい」と自負している場合は別ですが、そうでない場合には、“売れ筋ランキング”というのは役立つ指標になります。売れている=多くの人に支持されている商品には、おおむね必ず「売れているだけの理由=美点」があるからです。やみくもに勘だけで商品を選ぶよりも、売れ筋ランキングを参考にした場合のほうが、買い物の成功率は格段に高まるでしょう。

では「車」の場合は今、どんなモデルがよく売れているのでしょうか? そしてそのモデルが数多くのユーザーに支持されている“理由”は何なのでしょうか?

日本自動車販売協会連合会、並びに全国軽自動車協会連合会が発表している月ごとの販売台数を基に、2023年上半期(1~6月)の自動車販売台数ランキングTOP10を紹介しつつ、それぞれが売れている理由をご説明いたします。

通常、車の販売台数ランキングというのは登録車(いわゆる普通車)と軽自動車とで別々に集計され、別々に発表されます。普通車と軽自動車では、それぞれを統括する業界団体のようなものが異なるからです。

しかしそんなことは我々ユーザーには関係ありませんので、ここでは普通車と軽自動車をひっくるめた「真の販売台数ランキング」を集計してみることにします。

ランクイン車種一覧

2023年度上半期(1月~6月)の販売台数TOP10は以下のとおりとなりました。

後ほど各車種の特徴や人気の理由について1台ずつ順番に解説していきますが、以下の表で特定の車種名をクリックするとその車種の解説までジャンプすることができます。

順位 車名 販売台数
1

ホンダ N-BOX

ホンダ N-BOX 112,248 台
2

トヨタ ヤリス

トヨタ ヤリス 97,421 台
3

トヨタ カローラ

トヨタ カローラ 82,374 台
4

ダイハツ タント

ダイハツ タント 80,085 台
5

トヨタ シエンタ

トヨタ シエンタ 67,344 台
6

ダイハツ ムーヴ

ダイハツ ムーヴ 62,091 台
7

スズキ スペーシア

スズキ スペーシア 60,075 台
8

日産 ノート

日産 ノート 58,095 台
9

トヨタ ノア

トヨタ ノア 50,489 台
10

トヨタ プリウス

トヨタ プリウス 48,835 台
出典:
乗用車ブランド通称名別順位 | 統計データ | 一般社団法人日本自動車販売協会連合会
軽四輪車通称名別新車販売確報 – 一般社団法人 全国軽自動車協会連合会

※ 上記の台数は同一車名のものを合算して集計しています(ヤリス、カローラ、タント、ムーヴ、スペーシア)。また、一部教習車などを含みます。

第1位~第3位・・・コスパに優れた大人気モデル

●第1位:ホンダ N-BOX(11万2248台)

コスパの高さで不動の人気を誇る軽スーパーハイトワゴン

向かって左がN-BOX、右が上級ラインに相当するN-BOXカスタム。

2023年上半期に“一番売れた自動車”はホンダの軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」でした。その販売台数は2位以下を大きく引き離す11万台以上で、月平均1万8000台以上が売れた計算になります。

軽スーパーハイトワゴンとは、非常に背が高い1BOXタイプのボディにスライドドアが付いているという、軽自動車では一番人気のカテゴリー。そしてそのなかでも圧倒的な人気を維持し続けているのが、2017年9月にデビューしたホンダ N-BOXです。

まず軽スーパーハイトワゴンというカテゴリー自体の人気が高い理由は、「コスパがいいから」ということに尽きるでしょう。

定められた軽自動車規格の範囲内で作られているためボディサイズ自体は小さいのですが、そのなかで最大限の空間効率を追求していますので、特に後席はメルセデス・ベンツのSクラスなどよりも広々としています。そして背が高いため、縦方向の余裕もピカイチです。

N-BOXカスタムの室内空間

そういった広々空間を、せいぜい総額200万円ぐらいで入手できてしまうというコスパの良さが、軽スーパーハイトワゴンが人気を集めている理由です。

もちろん「総額200万円ぐらい」というのは、ひと昔前の軽自動車と比べればずいぶん高いわけですが、同じような空間的余裕を普通車で獲得しようとすると、一番安い部類でも総額300万円ぐらいにはなります。前述のメルセデス・ベンツ Sクラスだと、それこそ2000万円ぐらいの総額になるでしょう。それを考えれば、軽スーパーハイトワゴンの総額200万円ぐらいというのは「安い!」と言えるのです。

そしてそのなかでも長らく人気ナンバーワンの座を維持し続けているホンダ N-BOXは、ひとことでいえば「欠点と呼べるものが見当たらない車」です。

ホンダ N-BOXはまず外装デザインの質が高く、インテリアの質感とデザインセンスも上々。そして使い勝手が良いだけでなく、背が高い車であるにもかかわらず走りの安定性は高く、アダプティブクルーズコントロールなどを含む「Honda SENSING」は一番安いグレードでも標準装備。だからこそ人気が高く、そして人気が高いゆえにリセール相場も高くなり、そのためよりいっそう人気が高まる……という“正の循環”に入っているのです。

N-BOXカスタム STYLE+ BLACKの前席インテリア

もちろんその他メーカーの軽スーパーハイトワゴンも同様の魅力を備えていますし、使い勝手の良さなどもN-BOXと同様、徹底的に追求されています。そのためライバルと「圧倒的な差がある」というわけでもないのですが、ホンダ N-BOXはすべての項目において、おしなべて高得点を叩き出しているのです。

なお、N-BOXは3代目となる新型がこの秋に発売となります。原稿執筆時点で判明しているのはコンセプトと内外装デザインのみですが、大人気車種だけにこれまでのN-BOXの美点をそのまま受け継ぎ、さらに進化させていることは明らかです。ライトデザインが洗練され、インパネも水平基調のすっきりとしたものとなり、新型カメラを採用した先進運転支援システムは特にその制御が改善されているようです。「圧倒的ではなかったライバルとの差」も、この新型モデルの登場で広がるのではないでしょうか。

2023年秋発売の新型N-BOXとN-BOXカスタム

出典:新型 N-BOX 先行情報|Honda公式サイト

正式な発売は秋頃の予定となっておりますが、メーカーでは先行予約受付を開始しています。
オリックス・カーリース・オンラインでも、以下の企画商品ページから先行予約の形でマイカーリースをお申し込みいただけます。
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●第2位:トヨタ ヤリス(9万7421台)

総合力は高いのに価格は安いという、嬉しい矛盾

ヤリスを前方から見た外観

ヤリスシリーズの基本となる「ヤリス」

ヤリス クロスを前方から見た外観

派生モデルであるコンパクトSUVの「ヤリス クロス」

いわゆる普通車で今一番売れているのが「トヨタ ヤリス」です。上記の数字はコンパクトハッチバックである「ヤリス」と、コンパクトSUVである「ヤリス クロス」との合算値ですが、2022年1~12月の販売比率はおおむね50:50でしたので、2023年1~6月の比率もほぼ同様と見ていいでしょう。

ハッチバックとSUVを含むヤリスシリーズがよく売れている理由は「総合力が高いのに、価格はけっこう安いから」ということになります。

TNGAという考え方にもとづいた新世代の車台を採用しているヤリスおよびヤリス クロスは、どちらも走行性能は大いに優秀で、自動ブレーキなどがセットになった「Toyota Safety Sense」は全車標準装備。そして特にハイブリッド車は「抜群!」としか言いようのない低燃費を誇り、内外装デザインもそれなりにしゃれています。そしてナンバーワンメーカーの人気ナンバーワン車種だけあってリセール価格も安定している――という具合に“総合力”が高い車なのですが、それでいて、標準グレードであれば車両価格は200万円台前半です。……そうなればもう、人気にならないはずがないのです。

後席がやや狭いという欠点はありますが、そこがさほど問題にならない使用環境であるならば、トヨタ ヤリスとヤリス クロスは「間違いのない手堅い選択肢」と言えるでしょう。

●第3位:トヨタ カローラ(8万2374台)

十分以上の性能とビジュアルの良さを廉価にて実現

カローラを前方から見た外観

4ドアセダンの「カローラ」

総合3位となったのはトヨタ カローラです。カローラというと、その昔はシンプルで実用的なセダンのみをラインナップしていましたが、現在は、

・4ドアセダンの「カローラ」
・ステーションワゴンの「カローラ ツーリング」
・5ドアハッチバックの「カローラ スポーツ」
・SUVの「カローラ クロス」

という4本立てのラインナップに変わっていて、そのほかにも、旧型をそのまま継続販売している「カローラ アクシオ(5ナンバーサイズのセダン)」と「カローラ フィールダー(5ナンバーサイズのステーションワゴン)」があります。上記の8万2374台という販売台数は、これら6モデルの合算値です。

カローラツーリングを前方から見た外観

カローラツーリングを前方から見た外観

カローラスポーツを前方から見た外観

スポーティな5ドアハッチバックの「カローラ スポーツ」

カローラクロスを前方から見た外観

コンパクトSUVの「カローラ クロス」

旧型が継続販売されているカローラ アクシオとカローラ フィールダーはちょっと事情が異なりますが、それ以外の現行世代のカローラシリーズはどれも「現代的なデザインセンス」と「十分な走行性能」「十分な安全装備や燃費性能」を、「比較的手頃なプライス」にて実現させているというのが大きな特徴です。

つまり、例えば5ドアハッチバックのカローラ スポーツで言うと、カローラ スポーツよりも各種の実力が上な5ドアハッチバックは世界中にいくつもあるでしょう。しかし「220万円~」というプライスのなかでカローラ スポーツ並みの諸性能と信頼性を実現させているモデルはほとんどない――ということです。

アクシオとフィールダーを除く現行型4モデルであれば、好みに応じてどのボディタイプを選んだとしても、「きわめてお値打ちである!」という結論になるでしょう。

第4位~第6位・・・個性が光るラインナップ

●第4位:ダイハツ タント(8万85台)

唯一無二の「ミラクルオープンドア」とマイナーチェンジで躍進

タントカスタムを前方から見た外観

カローラシリーズにほぼ迫る勢いでよく売れたのが、ダイハツの軽スーパーハイトワゴンである「タント」です。

「背が高くてスライドドアも付いている」という軽スーパーハイトワゴンならではの特徴はホンダ N-BOXと同様ですが、ダイハツ タントはそれに加えて「ミラクルオープンドア」という、他のモデルにはない個性を備えています。

ミラクルオープンドアとは、要するに助手席側のセンターピラー(中央の柱)がないため、左側の前後ドアを開けた際の開口部が圧倒的に広くなる=人の乗り降りや荷物の出し入れが圧倒的にやりやすくなる――という機構です。

タントカスタムの助手席ドアとミラクルオープンドアを開放したイメージ

助手席側のセンターピラーが存在しない(ドアに内蔵されている)ダイハツ タントのミラクルオープンドア。写真はタント カスタム。

正確には、タントのセンターピラーは「ない」のではなく「ドアに内蔵されている」ということなのですが、いずれにせよ、タントはこのミラクルオープンドアによって独自の個性を形作っています。

また2022年10月のマイナーチェンジで、上級ラインである「タント カスタム」のフロントまわりのデザインが押し出し感の強いものに変更され、同時に「タント ファンクロス」というSUV風味のモデルが追加されたことも、ダイハツ タントが前年比146%以上の勢いで売れている理由です。

●第5位:トヨタ シエンタ(6万7344台)

小回り抜群のコンパクトサイズとしゃれたデザインで大ヒット

シエンタを前方から見た外観

トヨタ シエンタは5ナンバーサイズのコンパクトミニバン。2022年8月に3代目(現行型)へとフルモデルチェンジされ、その納車が本格化された2023年上半期は前年比260.4%という勢いで売れまくりました。

現行型のシエンタがよく売れている理由は、まずは「程よいサイズ感」と「しゃれたデザイン」という2つでしょう。通常、3列シートのミニバンというのはシエンタの全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mmというサイズよりも大きい場合がほとんどなのですが、世の中には「そこまで大きい必要はない」と考えるファミリーユーザーもけっこう多いものです。

トヨタ シエンタは、そういった「ミニバンは必要だが、大きいのは嫌」というニーズを、「ボディは小さめで小回りもかなり利くけど、車内は広く使える」という絶妙なパッケージングですくい取り、さらには、ちょっとヨーロッパ車を感じさせる素敵なデザインによってダメ押しをしました。

そしてさらなるダメ押しとして「最新のToyota Safety Sense(予防安全パッケージ)が全車標準装備である」「ハイブリッド車は抜群に低燃費である」「ハイブリッド車でも車両価格は238万円~である」などの魅力も存在しているため、シエンタは今、大いに売れているのです。

●第6位:ダイハツ ムーヴ(6万2091台)

ちょうどいいサイズ感とデザインは他にない魅力

ムーヴキャンバス ストライプスを前方から見た外観

写真はムーヴ キャンバスの「ストライプス」というデザインライン。

6位に入ったダイハツ ムーヴは「軽トールワゴン」と呼ばれるジャンルの軽自動車。ホンダN-BOXなどの「軽スーパーハイトワゴン」は全高1.8mほどのボディにスライドドアを組み合わせたジャンルですが、軽トールワゴンは全高1.6mぐらいの程よく背が高いボディに、ヒンジ式(ちょうつがいで開くタイプ)のドアを組み合わせています。

ダイハツ ムーヴはそんな軽トールワゴンの代表的モデルのひとつですが、現行型は2014年デビューといささか古い設計であるため、現在ムーヴシリーズの販売における主力となっているのは2022年に2代目に切り替わった「ムーヴ キャンバス」という軽自動車です。

ダイハツ ムーヴ キャンバスは、通常のムーヴよりは少し背が高い、かといって高すぎはしない1655~1675mmという絶妙な全高を持つボディに、便利なスライドドアを組み合わせたという革新的な一台。「スライドドアはあったほうがいいけど、軽スーパーハイトワゴンほどの背の高さはむしろ不要」と考えるユーザーの心をとらえ、スマッシュヒットを記録しています。

またムーヴ キャンバスは「置きラクレイアウト」や「ラゲージアンダーボックス」などによる収納関係の便利さが光るのに加えて、往年の「ワーゲンバス」を思わせるようなレトロで可愛いエクステリアデザインも、人気の理由です。

第7位~第10位・・・根強い人気のロングセラー

●第7位:スズキ スペーシア(6万75台)

上位陣と比べても遜色ない実力の軽スーパーハイトワゴン

スペーシアを前方から見た外観

スズキ スペーシアは、1位のホンダ N-BOXや4位に入ったダイハツ タントなどと同じ「軽スーパーハイトワゴン」というジャンルに属する軽自動車。「背の高いボディとスライドドアがもたらす抜群の居住性と実用性」という部分に関してはN-BOXおよびタントとおおむね同等の魅力を有しており、「背が高い割に走りは安定している」という点についてもほぼ同様です。

そしてスズキ スペーシアは、標準モデルにおいては「スーツケースをモチーフとしたシンプルでハイセンスな内外装デザイン」が魅力となり、上級ラインであるカスタムでは「ギラギラ系で押し出し感の強いフロントマスク」が、ある種の人にとっては好印象でしょう。また「スペーシア ギア」というシリーズでは、今流行りのSUV風デザインと、外遊びに向いているさまざまな機能や仕様を堪能することができます。

このように、上位に入ったホンダ N-BOXやダイハツ タントと比べてほぼ遜色ない魅力と個性を備えているスズキ スペーシアではあるのですが、N-BOXよりも販売台数が5万台以上少ないというのは――車の出来うんぬんというよりは「販売力の差(販売拠点数の違い)」が主な理由でしょう。車としての実力は、前述の2車におおむね匹敵しています。

●第8位:日産 ノート(5万8095台)

コンパクトカーにあるまじき(?)デザインの良さと質感の高さで人気に

日産 ノートを前方から見た外観

いわゆるコンパクトカー(軽自動車ではない小さめなハッチバック車)のなかではトヨタ ヤリスの次によく売れているのが、こちら日産 ノートです。

2020年12月に発売された現行型の日産 ノートは、日産が「e-POWER」と呼んでいるハイブリッドシステムを採用。1.2Lエンジンを積んではいるのですが、このエンジンは駆動ではなく発電に徹していて、そこで生まれた電気で動くモーターが車を駆動させる――という方式です。

モーター駆動には「エンジン駆動よりも力強い」という特徴があるため、日産 ノートの走りは非常に力強く、それでいて静粛性も高いという素晴らしいものです。しかしそれに加えて、現行型の日産 ノートがよく売れている理由は「内外装のデザインセンスと質感が高い」というのと、「先進安全装備が充実している」という部分もデカいはずです。

通常、コンパクトカーというのはデザインや使っている部材の質感などが安っぽくなりがちなのですが(予算に制限があるため、致し方ない話です)、ノートのそれは「コンパクトカー離れしている!」と言っても過言ではないほど上質。「所有する歓び」みたいなものすら感じられるでしょう。

それに加えてノートには日産自慢の運転支援システム「プロパイロット」が用意されており、さまざまな危険を察知および回避支援してくれる「360°セーフティアシスト(全方位支援システム)」が全車標準装備となっています。

上質なデザインと上質な走り、そして最先端の安全装備を「小さな車」において実現させたいと考える人にとって、日産 ノートは最適と思える選択肢のひとつです。

●第9位:トヨタ ノア(5万489台)

先進安全装備も大幅に充実したミニバン界の大定番

トヨタ ノアを前方から見た外観

トヨタ ノアは、5ナンバー級サイズのミニバンのなかでは以前から圧倒的な売れ筋として君臨してきた一台。その「そつのない平均点の高さ」みたいな部分により、「普通のミニバンを普通に便利に使いたい」と考えるユーザーから高く評価されています。

とはいえ先代までのノア(と、兄弟車であるヴォクシー)は、「設計年次の古さゆえに先進安全装備の類が少々弱い」という弱点も有していました。

しかし2021年12月のフルモデルチェンジにより、そのあたりの弱点はほぼ完全に解消されました。

車台は「GA-C」という最新のものに改められ、ハイブリッドシステムも新世代のものに刷新。運転支援システムも、センサーの検知範囲を2倍に拡大した最新の「Toyota Safety Sense」を搭載することで、安全性能は大幅に強化されています。

そしてそれらに加えて、ファミリー向けミニバンの本分である「使い勝手の良さ」もモデルチェンジに伴って徹底的にブラッシュアップされたわけですから、これはもう「手頃なミニバンが欲しい」と考えるのであれば、まず最初に検討すべき一台に進化したと言っていいでしょう。

●第10位:トヨタ プリウス(4万8835台)

超先鋭的デザインに生まれ変わったハイブリッド車の代名詞

プリウスを前方から見た外観

ハイブリッド車の代名詞ともいえるのが、こちらトヨタ プリウス。フルモデルチェンジを受けて発売されたのが2023年1月10日ですから、納車(登録)が本格化したのは、早めに見積もったとしても同年2月からのはず。つまり2023年上半期のランキングといっても、新型プリウスの集計対象期間は「6カ月」ではないのです。

それでいてこれだけの台数が売れて総合10位に入ったということは、やはりこの先鋭的なデザインと雰囲気が高く評価されたからだと見ていいでしょう。

ひと目でプリウスとわかる紡錘形(円柱状で中ほどが太く、両端が次第に細くなる形)は従来型から踏襲しつつ、そのうえでロー&ワイドなスタイリングと19インチの大径ホイールにより、スタイリッシュなプロポーションをかなり強調しています。

ちょっとスーパーカーっぽくもある新しいフォルムは「やりすぎ」との見方もあるようですが、ハイブリッド車という存在が当たり前となった今の時代、ハイブリッド車の元祖にしてイメージリーダーでもあるプリウスは、これぐらいぶっ飛んだカタチにするぐらいでちょうどいいのかもしれません。なんともカッコいいハイブリッド車です。

もちろん新型プリウスは、デザインだけでなく中身も進化しています。プラットフォームには第2世代の「TNGA」が用いられ、2Lのハイブリッドユニットは先代比で1.6倍となるパワーを発生。スポーティな見た目に生まれ変わったプリウスにふさわしい動力性能が実現されていますし、その他の安全装備なども最新バージョンが採用されています。「先進的で先鋭的な車」を求めている人には素晴らしい選択肢だと言えるでしょう。

まとめ

2023年上半期に人気だった車のランキングや人気の理由について解説してまいりました。ここ数年ランキング上位の常連となっている人気車種や、他にはない個性を持つ車種など、多岐にわたる車種ラインナップになりました。
この記事を読んでいただき、お車をご検討される際の参考となりましたら幸いです。
2023年の下期にさしかかりましたが、1年が終わるころにはこのランキングがどう変わっていくのか、あるいはかわらないのか、楽しみにしながら見ていきたいと思います。
今回ランキングから漏れた車種にも魅力的な車種がたくさんありますので、それらの車種がランクインする様になれば車選びがより楽しくなることでしょう。

執筆者
伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。
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  • <公開日>2023年9月22日
  • <更新日>2023年9月22日