「トヨタ プリウス」斬新なデザインに生まれ変わったハイブリッドの代名詞【話題のニューモデル】

思い切りのいいロー＆ワイドなスタイリングに大変身！

1997年に登場した初代プリウスのキャッチコピーは「21世紀に間にあいました。」でしたが、最新型のコンセプトは「Hybrid Reborn」。日本語の広告コピーにするなら「もう一度生まれ変わった、ハイブリッド。」みたいな感じでしょうか。いずれにせよ「“ひと目ぼれするデザイン”と“虜にさせる走り”を併せ持ったエモーショナルなモデル」を目指して開発されたのが、今回登場した新型プリウスです。

エクステリアは、ひと目でプリウスとわかるモノフォルムデザインを継承してはいますが、そのうえで、思い切りのいいロー＆ワイドなスタイリングと19インチという大径ホイールにより、きわめてスタイリッシュなプロポーションが追求されています。ボディサイズは全長4600m×全幅1780mm×全高1430mmで、先代に対しては25mm長くて20mm幅広く、40mm低いという寸法です。

インテリアは、「アイランドアーキテクチャー」なるキーワードがコンセプトで、水平基調のシンプルなダッシュボードの上にメーターパネルとセンターモニターが配置されています。インストゥルメントパネルには、予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」と連動して、危険が迫った際にはイルミネーションの点滅でドライバーに注意を促す「イルミネーション通知システム」も備わりました。

車内が狭くなったようにも見える新型プリウスですが、前後の座席間距離は先代と同等の936mmを確保。そして従来型までは荷室のフロア下に置かれていたバッテリーパックを後席の下部に移設したことで、実は荷室容量も拡大されています。

センターコンソール後端とラゲッジルームにはAC100V・1500Wのアクセサリーコンセントが備わり、ドアガラスを閉じて虫や雨水の侵入を防ぎながら外部給電できるアタッチメントも用意。大型の「パノラマムーンルーフ」や「ソーラー充電システム」（※PHEVのみ）も、新型プリウスの特徴的な装備だといえるでしょう。

2L版の走りはかなり強力。そしてプラグインハイブリッド車も追加

ハイブリッドユニットは、1.8Lエンジンをベースとするシステム最高出力140psの仕様と、2Lエンジンを採用する同193psの仕様の2種類。特に2L版は、先代の1.8L比で1.6倍のパワーを獲得しており、スポーティなビジュアルに生まれ変わった新型プリウスにふさわしい動力性能が実現されました。また、リアに独立型モーターを搭載する4WD車（E-Four）もラインナップされています。

2023年3月1日に追加されたPHEV（プラグインハイブリッド）には、2Lのプラグインハイブリッドシステムを搭載。高効率な「ダイナミックフォースエンジン」と高出力な駆動用リチウムイオンバッテリーを組み合わせることで、先代のPHEVと同等の低燃費を維持しながらも、223psというなかなか強力なシステム最高出力を実現。

一充電あたりのEV走行距離も従来型から50％以上アップし、19インチタイヤ装着車の場合で87kmを達成しましたので、「日常生活の大部分をEV走行だけでカバーできる」と言っていいでしょう。

充電された電気とモーターだけで87km走ることができるプラグインハイブリッド車

これらパワーユニットが乗る車台は、高度な結合技術を採用することで剛性が高められたという第2世代の「TNGA」プラットフォームで、運転支援システムは、単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせた最新の「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備。そのほか、専用スマートフォンアプリを使った遠隔操作での駐車・出庫が可能になる「アドバンストパーク（リモート機能付き）」も設定されています。

1.8L版は「KINTO」を通じてしか入手できない

現在販売されている新型トヨタ プリウスのグレードラインナップと、それぞれの車両価格、WLTCモード燃費は下記のとおりです。

【1.8L】
●X｜275万円｜32.6km/L
●X E-Four｜297万円｜30.7km/L
●U｜299万円｜32.6km/L
●U E-Four｜321万円｜30.7km/L

【2L】
●G｜320万円｜28.6km/L
●G E-Four｜342万円｜26.7km/L
●Z｜370万円｜28.6km/L
●Z E-Four｜392万円｜26.7km/L
●Z プラグインハイブリッド｜460万円｜26.0km/L

もっとも安価なXおよびX E-Fourは法人向けのグレードで、内装は真っ黒ですし、ボディカラーも白とシルバーしかありません。そのため、一般ユーザー向けの最安グレードは「UまたはU E-Four」ということになるでしょう。

しかしUとU E-Fourはトヨタのサブスクサービスである「KINTO」を通じてしか入手できません。そのため一般的に購入するまたはリース契約を結ぶ場合は、1.8LのUではなく、2LのGかZ、あるいはZ プラグインハイブリッドを選ぶことになります。

相対的には安価なGでも基本的な装備は充実していますし、前述のとおり運転支援システム「Toyota Safety Sense」も標準装備です。そのため、フロントシートが上級ファブリックのスポーツシートでも問題ないのであれば、Gでも普通に十分かとは思います。ただし、Zであればさらにいろいろと豪華で充実した装備内容になることは、言うまでもありません。

いずれにせよ新型トヨタ プリウスは全体的に、きわめてスタイリッシュで猛烈に速く、そして燃費も良く、しかしながら居住性なども決して悪くはない、なんとも魅力的な一台であることは間違いありません。

このご時世、納車までにはそれなりの時間がかかることも予想されますので、気になる方は、早め早めにチェックを行うことが重要となるでしょう。