車は1台あることで生活が便利になる乗り物ですが、購入しようとすると決して安い買い物ではありません。
欲しいと思ってもまとまった初期費用の用意が難しかったり、乗り始めてからも維持費がかかったりするため、車の購入を躊躇うこともあるのではないかと思います。
しかし、潤沢な予算や貯金がないという場合でも、車に乗ることを諦める必要はありません。
本記事では、まず車の購入にどういった費用が必要なのかを整理し、お金がなくても車が必要だという時に車に乗ることができる方法について解説します。
そもそも車にかかる費用とは
車は一般的なモノと違い、購入時に本体価格のみならず車両登録に関する手数料や税金が発生します。
また、購入時のみならず購入後も車を維持し続けるにあたりさまざまな費用が発生します。
ではどういった費用が必要となるのか、購入に必要な初期費用と購入以降に必要な維持費用に必要な費用の2つに分けて整理します。
初期費用
車の購入にあたっては、本体価格に加え登録・納車にあたる各種手数料や税金が必要となり、これらをまとめて支払う必要があります。
概要 | |
---|---|
自動車税(軽自動車)種別割 | 車種や総排気量に応じ、車両所有者に対し課税される |
環境性能割 | 車を取得した時に発生する税金 |
自動車重量税 | 車両の重量や経過年数に応じ課税される税金 |
自賠責保険料 | 車両所有者に対し加入が義務付けられている「強制保険」の保険料 |
車庫証明費用 | 車の保管場所を証明するための書類の発行にかかる費用 |
新規検査登録にかかる費用 | 陸運局で車両の検査登録をするためにかかる費用 |
※任意保険料や納車費用等、状況による変動幅が大きい費用は除いています。
維持費用
車を購入し、乗り始めてからも車を維持するために必ず発生する費用があります。費用の発生時期やサイクルも異なるため、注意が必要です。
発生時期 | 発生サイクル | |
---|---|---|
自動車税・軽自動車税種別割 | 毎年4月1日 | 毎年 |
車検費用 | 車検更新時 | 初回車検:登録の3年後 継続車検:初回車検更新の2年後 ※自家用乗用車の場合 |
自動車重量税 | ||
自賠責保険料 |
※任意保険料や駐車場代等、状況による変動幅が大きい費用は除いています。
※メンテナンス費用は適用範囲や状況による変動幅が大きいため、必ず発生する車検費用のみを記載しています。
お金がなくても車に乗るための選択肢
前述のとおり、車に関する費用は大まかに「購入」と「維持」の2つが発生することになります。
購入する車により変わるので具体的な金額は割愛しましたが、これらの費用は決して安いものではなく、車の購入を躊躇う大きな原因ともなっています。
しかし、車に乗る事を諦める必要はありません。
車が欲しいけどお金がないという時に車に乗ることができる3つの方法について、以下のとおり解説していきます。
カーローン
お金がない時の車の購入方法として、カーローンがあります。
カーローンとは、車の購入に必要な初期費用を借りて、金利手数料を上乗せした上で決められた期間中に分割で返済していくという仕組みです。
ローン返済中の所有権は自分になる場合とローン会社に留保される場合がありますが、返済完了後は自分の所有車として使い続けることができます。
初期のまとまった費用負担を抑えて車に乗ることができるというメリットがありますが、カーローンの契約にあたり、年収や収入の安定性などさまざまな情報を基にしたローン会社所定の審査があるので必ずしもカーローンを利用できない場合がある、というデメリットもあります。
また、カーローンで借りられるお金は「車の購入に必要な初期費用」となるため、車の維持費用は通常の購入時と同様に支払う必要がある、という点は注意が必要です。
カーローンは銀行や信用金庫などの金融機関が提供する「銀行系マイカーローン」と自動車ディーラーの提携している信販会社から借入れを行う「ディーラーローン」の2種類に大別されます。
これらの主な違いについては以下表のとおりです。
銀行系マイカーローン | ディーラーローン | |
---|---|---|
車の所有者 | 自分 | 完済までは信販会社に留保 |
金利 | 低い | 高い |
審査基準 | 厳しい | さほど厳しくない |
契約手続 | 車の購入とは別で実施 | 車の購入と同時に実施可能 |
また、近年取扱が増えているディーラーローンの一種で、契約時に設定した「残価」をローンの最終支払い時まで据え置き、車両本体価格から残価を差し引いた金額を契約月数で分割して支払うという「残価設定型ローン」という返済方法もあります。
月々の返済額を安く抑えられる半面、「金利は比較的高い」「契約期間終了後に再ローンを組む際の金利はさらに高い」「通常のローンと異なり残価精算をしないと自分の所有車とならない」というデメリットもあります。
レンタカー・カーシェアリング
購入するのではなく「借りる」ことで車に乗るという選択肢もあり、その手段がレンタカーやカーシェアリングとなります。
自分の車ではないため、購入や維持に必要な費用は一切負担せずに車を使用でき、使用後は都度車を返却するので車の保管場所が無くても乗れる方法になります。
ローンの様な審査は必要ない、といったメリットもあり、必要になった時だけ車を借りて利用し費用を支払う形になるため、結果として費用負担を抑えられる可能性もあります。
ただ、車を自分のものにすることはできない事や、利用の都度のレンタル手続きが必要になる事、いつでも好きなタイミングで車に乗れるとは限らないという点がデメリットとなります。
レンタカーとカーシェアリングの概要や両者の違いについては以下のとおりとなります。
●レンタカー
・数時間~数日の間だけ車をレンタルできるサービス
・サービス会社によっては1ヶ月間のレンタルが可能なマンスリーレンタカーの提供もあり
・初期の手続きや費用負担は無く、急ぎで使いたい時に適している
・レンタカー店舗の営業時間外には車の受け取りや返却の手続きができないので注意
●カーシェアリング
・会員登録を行った人同士で特定の車を共有して使うサービス
・15分単位での料金設定なので、数時間単位ならレンタカーより安く利用可能
・店舗を構えておらず、予約さえ取れれば24時間いつでも車に乗れる
・会員登録が必要で、車の利用時に使うICカードが届くまで利用開始できないので注意
・利用できる車が生活圏内にないことがある
●レンタカーとカーシェアリングの違い
レンタカー | カーシェアリング | |
---|---|---|
最短契約期間 | 6時間~ | 15分~ |
利用開始時の初期手続 | 不要 | 会員登録が必要 |
利用開始までの期間 | 即日 | 会員登録完了後、数日 |
受取・返却可能時間 | 店舗の営業日時に準拠 | 24時間いつでも |
カーリース
カーリースとは、契約者が選んだ車をカーリース会社が契約者に代わって購入し、契約者が希望する期間だけ、月々定額の料金で貸し出すというサービスです。
利用する車種やグレード、オプションなどは自由に選ぶことができ、ナンバープレートもレンタカーと違って「わ」や「れ」ナンバーではない一般ナンバーが割り振られるため、購入した時と同じ様に自分の車として使うことが可能です。
また、車の購入に必要な初期費用はもちろん、各種税金や車検費用などの維持費用も「月々定額」のリース料に含んでいるため、まとまった金額の出費の発生を抑えることもできるメリットがあります。
ただ、カーローンと同じ様に契約にあたってリース会社所定の審査が必要となります。
また、「走行距離に制限がある」「自分好みのカスタマイズを行いにくい」「契約途中での解約は不可」「契約満了後は車をリース会社へ返却する必要がある」というデメリットがあり、また契約満了後に返却した車の状態によっては追加の費用請求をされることがあるため、契約前に内容をよく確認する必要があります。自分の車として使うことはできるものの、車の使い方には気を配る必要があると言えます。
選択肢別 オススメのケース
ここまで、お金が無くても車に乗るための3つの選択肢について解説しました。
どの選択肢でもまとまった初期費用は発生しないため、いま手元にまとまったお金が無い状態でも車に乗る選択肢は揃っていると言えそうです。
一方で、維持費用の要否やその他の商品特徴がそれぞれ異なりますので、ケースに応じた選択肢を選ぶことが大事になってきます。
3つの選択肢とオススメのケース例について以下の表のとおりまとめてみました。
銀行系マイカーローン | レンタカー/ カーシェアリング |
カーリース | |
---|---|---|---|
初期費用 | 不要 | 不要 | 不要 |
維持費用 | 必要 | 不要 | 不要 |
料金支払 | 月ごとに決まった金額を支払い | 利用の都度支払い (カーシェアリングは月額基本料の支払があるケースも) |
月ごとに決まった金額を支払い |
所有権 | 返済完了後は自分 | サービス提供会社 | リース会社 |
使用 | 自由に使用可能 | 都度予約が必要 | 自由に使用可能 (契約終了後は返却が必要) |
注意事項 | 予約が取れないと使えない 店舗・車両の有無や営業時間の影響を受ける |
契約期間中の解約は不可 返却時の車両状態によっては追加の費用請求がある |
|
オススメのケース例 | 初期費用は無いが自分の車が欲しい | 車の出費は使った分だけにしたい | まとまった出費が不安なので極力避けたい |
もし「自分の車が欲しい!」という場合、他の選択肢では自分のものにできないためカーローンが特にオススメです。
もし車を自分で所有することに拘らない場合や、まとまった維持費用の出費も避けたい場合はレンタカーやカーシェアリング、カーリースがオススメと言えます。
ただ、使った分だけの支払で済むレンタカーやカーシェアリングと異なり、カーリースではカーローンと同様に月ごとの料金を支払うにもかかわらず最終的には車を返却しなければなりません。
さらに、契約期間中は万が一車を使わなくなったとしても解約ができないため、支払いを続けなければなりません。
いくらまとまった維持費用の出費を避けられるといっても、カーリースに対し躊躇いを感じる方も多いのではないかと思います。
そこでオススメしたいのが、オリックスの新車マイカーリース「いまのり」シリーズです。
カーリース契約なのでもちろん月ごとの料金支払いとなりますが、契約満了時は車を返却するか自分のものにするかを選ぶことができるのです(5年契約「いまのりくん」を除きます)。
もちろんリース契約期間中の維持費用も含まれていますので、初期費用・維持費用いずれのまとまった出費も避けつつ契約満了後に車を自分のものにできるという、カーローンとカーリースの良いとこ取りができるのです。
さらに、契約開始後に一定の年数が経過すれば「いつでも」「解約金なしで」リース契約を解約し車の返却をする事を可能にしていますので、契約期間中にもし万が一車を使わなくなったとしても安心です。
「車が欲しいけどお金がない」という多くのケースでオススメできるプランとなっています。
まとめ
車には、購入時はもちろん購入後の維持にも費用がかかりますが、お金が無くても車に乗る選択肢はあるということがお分かりいただけたのではないかと思います。
「車が欲しいけどお金がない」という理由で車を諦める必要はありません。
本記事を参考にしながらご自身の状況に合わせた選択肢を選ぶことで、少しでも多くの方が車に乗ることができればと考えております。
執筆者
「オリックス・カーリース・オンライン」編集部
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執筆者
伊達軍曹 - 外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。自動車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。以来、有名メディア多数で新車および中古車の取材記事を執筆している。愛猫家。
- <公開日>2023年9月22日
- <更新日>2023年9月22日