「カーリースはやめとけ」はなぜ？ デメリットの回避策も教えます

車の持ちかたとしてのカーリースのしくみ

カーリースは、ご希望の車やオプション装備、契約期間を契約者が設定し、その車をリース会社が契約者に代わって自動車ディーラーから購入し、あらかじめ設定した契約期間、月々定額のリース料で契約者へ車を貸し出す、というしくみになっています。

カーリースの月々定額のリース料には、契約者に代わって購入する車の代金をはじめとした購入時の費用に加え、契約期間中の税金などの各種固定費用も含むものとなっています。
また、購入時の車の代金については、契約満了時に残っていると想定される車の想定市場価値（残存価格）を差し引いた状態で月々のリース料に含まれています。
これらを詳細に説明してしまうと長くなるうえ、本記事で解説する内容の本筋とは離れるので割愛します。
上記の詳細を知りたい方は、以下の関連記事にて目次の「カーリースとは」をクリックすると詳細な解説をご覧いただけます。

「カーリースはやめとけ」といわれる理由

以上のとおり、あらかじめ決めた期間の月々のリース料を支払うことで自分だけの車を持つことができるサービスになっていますが、リース会社から車を借りるというしくみとなっている点が現金購入やローンと比べ大きな違いとなります。
この違いが、車を持つうえで見過ごす事のできないデメリットを発生させ、それにより「カーリースはやめとけ」や「カーリースはデメリットだらけ」、「カーリースはおすすめしない」と言われることに繋がります。

以下は、主な「見過ごす事のできないデメリット」を、車を手に入れてから手放すまでの時系列に沿って並べたものとなります。それぞれがどの様なことを引き起こし、その結果「カーリースはやめとけ」と言われることに繋がっているのか、その理由を解説していきます。

●総支払額が高くなることがある
●走行距離を気にしないといけない
●好きなようにドレスアップやカスタマイズができない
●事故を起こした場合のリスクが大きい
●契約を途中でやめることはできない
●車を返してもお金がかかることがある
●車が自分のものにならない

総支払額が高くなることがある

カーリースの月々のリース料には、車両本体価格やオプション装備の価格の他に各種税金や自賠責保険料も含まれますが、これらは購入時に発生するもののみならず契約期間中に発生するものも全て含まれます。
現金購入やローンの支払い額には各種税金や自賠責保険料は購入時のみの金額しか含まれていないため、その状態で比較すると必然的に総支払額に差が出てきます。
また、リース会社の利益となるいわゆる「手数料」も月々のリース料に含まれており、それも総支払額を押し上げることとなります。
これらの結果として、現金購入やローンより総支払額が高くなるのでカーリースはやめとけ、と言われることに繋がります。

上記に加え、全てのカーリースサービスに共通ではありませんが、契約期間中の車検やメンテナンス費用などもリース料のなかに含まれている場合もあり、その場合はさらに総支払額の差が出てきます。

走行距離を気にしないといけない

カーリースでは、契約満了時の車の価値を担保するために、月間あるいは年間の単位で「走行距離制限」を設定しており、契約満了後に車をリース会社へ返却する時の走行距離が「走行距離制限×契約期間」の合計距離を超過していた場合はリース会社から超過料金を請求されることとなります。
そのため、走行距離を気にしながら乗らなければならないといったデメリットがあります。
自分だけの車なのに思いどおりに走ることができないのでカーリースはやめとけ、と言われることに繋がります。

契約を途中でやめることはできない

カーリース契約では契約者と合意した契約月数にもとづいてコストや利益を計算しているため、原則として契約途中での解約や契約内容の変更はできません。
万が一、やむをえない理由に基づいて中途解約が認められた場合でも、残りの期間のリース料総額をベースとした解約金を一括で支払う必要があります。
契約時に決めた期間は絶対その車に乗るつもりであったとしても、ライフスタイルの変化により車がいらなくなってしまうということは誰にでも起こり得ます。
将来なにが起こるか分からないからカーリースはやめとけ、という見方も確かに間違いではないでしょう。

好きなようにドレスアップやカスタマイズができない

カーリースの車はリース会社から借りているものであるため、契約満了に伴い返却をする際には原状回復が必要となります。
元の状態に戻すことができないドレスアップやカスタマイズをした場合、車の価値を毀損することになるため、車の返却後に違約金を請求されることとなります。
そのためカーリースでは、例えばホイールをアルミホイールへ交換するなど原状回復が可能なものを除き、ドレスアップやカスタマイズは実施すべきではないとされています。
上記の走行距離の話と繋がりますが、自分だけの車にもかかわらず自分好みにドレスアップやカスタマイズができないのでカーリースはやめとけ、と言われることに繋がります。

事故を起こした場合のリスクが大きい

上記の原状回復については、もちろん事故により車を破損してしまった場合も同様です。
ご自分の車ですと、多少の傷や凹みは修理せずにそのまま乗り続ける場合もあると思いますが、カーリースの場合は必ず返却までには元通りに修理しなければなりません。
また、事故により万が一車が「全損」となった場合、カーリースにおいては契約車が無くなった状態（車の滅失事由に該当）になるため、強制的にリース契約は解約となります。
借りていた車を返却することができないため、車の滅失事由にあたる解約の場合、通常の解約金のベースとなる残りのリース料総額に車の残価も加わり解約金の金額が大きくなります（事故の話ではありませんが車が盗難に遭い発見できない場合も同様です）。
そのため、事故を起こした時のリスクが大きいのでカーリースはやめとけ、と言われます。

なお、こういった万が一のことに備えるため、カーリースをご検討の際は車両保険付きの任意保険に加入することがおすすめです。

車を返してもお金がかかることがある

カーリースは以下のとおり「オープンエンド」と「クローズドエンド」という2種類の契約方式に大きく分けられますが、契約したカーリースが「オープンエンド」に該当する場合は契約終了時に残価精算が行われます。
残価精算とは、契約時に想定した契約満了時の車の想定査定額である「残価」と、車両返却時の「実際の査定額（市場価値）」との差額を精算することを指しており、実際の査定額が残価を下回った場合にリース会社へ差額を支払う必要があります。
リース料が安い場合は残価が高く設定されていることがあり、その場合は契約終了時に精算金が多く発生するというリスクがあります。
もちろんクローズドエンドのカーリースでは残価精算の心配はないのですが、上記のオープンエンド方式のしくみを例に、車を返してもお金がかかるからカーリースはやめとけ、と言われることもあります。

●オープンエンド
契約時に設定された「残価」と、「契約満了時の実際の査定額」で精算を行う契約方式。契約満了時の車の市場価値が残価を下回っていた場合は、その差額を精算金としてリース会社に支払います。

●クローズドエンド
契約時に残価を設定はするものの、返却時の残価精算は行わない契約方式です。オープンエンド方式と比べれば月額料金が高めになる傾向はありますが、契約満了時の査定額が仮に市場価値を下回っていても、差額（精算金）を請求される心配はありません。

車が自分のものにならない

先に述べたとおり、カーリースはリース会社が自動車ディーラーから購入した車を借りている状態であり、車の所有権はリース会社にありますので、契約満了時には車をリース会社へ返却する必要があります。
借り物であるとはいえ、使っているうちに愛着が湧き「このままずっと乗り続けたい」と思うこともあるかもしれませんが、それでも契約満了後に車を自分のものにすることはできません。
自分の車として所有したい、好きな車は長く乗り続けたいと考える人であれば、車が自分のものにならないからカーリースはやめとけ、と思う理由になるでしょう。

「カーリースはやめておけばよかった」の例

ここからは、上記で解説してきた「カーリースはやめとけ」と言われる理由が、実際に「カーリースはやめておけばよかった……」という後悔に繋がってしまった事例について解説します。
時系列を基に「契約期間中」と「契約終了時」に分け、どんなことが起きるのかを探っていきましょう。

契約期間中

契約終了時

ではカーリースはどんな人におすすめなのか

ここまで述べてきたように、「カーリースはやめとけ」と言われるポイントはいくつか存在し、それらが「カーリースはやめておけばよかった……」という後悔に繋がるケースもあります。
そんな中でも、以下の様な人は「カーリースはやめとけ」と言えるポイント以上にカーリースのメリットが大きくなる「カーリースに向いている人」と言うことができます。
では、それはいったいどんな人なのかを、車を手に入れてから手放すまでの時系列で解説していきます。

初期費用を抑えたい人

新車を現金払いで買うとなると、車両本体価格やオプション装備の価格をはじめ、各種税金や登録費用、販売店手数料などの「諸費用」が必要になり、数百万円の初期費用がかかります。ローンを組むにしても、「頭金」として購入金額の2～3割程度を最初に支払うのが一般的です。
しかしカーリースであれば、車が欲しいと思った時に必ずネックとなるこれらのまとまった初期費用を月々のリース料に含まれているので、利用開始時の初期費用を抑えることができます。

車に関する突然の出費をなくしたい人

車は購入時だけでなく、車に乗り続けている間も各種税金や自賠責保険料の固定費用が定期的に発生します。費用面での負担もさることながら支払い手続きも必要となるため、車を維持し続けるには相応の面倒なことが発生します。
しかしカーリースならこういった固定費用も月々のリース料に含まれているので、家計において車の維持費用をある程度一定化することができます。
総支払額を比べると現金購入やローンより高くはなるものの、突然の出費を嫌う人にとってはカーリースが向いていると言うことができます。
また、支払い手続きはリース会社が代行してくれるので面倒な手続きがいらないというメリットもあります。

車の購入の手続きが面倒だと感じる人

車を購入する際、販売店へ1回訪問しただけでは手続き完了とはいかず、商談や購入契約、納車などで何度も販売店まで足を運ぶ必要があり、都度の日程調整も含め意外と面倒に感じるものです。
しかしカーリースの場合、多くのリース会社が電話やインターネット、書面などを用い自宅にいながら手続きの多くを完結できる仕組みを整えているので、わざわざ足を運ぶ面倒さがありません。
また、車の購入はリース会社が行いますので契約者は多くの手続きをリース会社とのみ行えば良く、さらに納車に関しては基本的に契約者の自宅まで持ってきてくれるので、納車までの手続きがラクラクになります。

数年ごとに車を乗り替えたい人

現金購入した場合でも車を売却して新しい車に乗り替えることはもちろん可能ですが、車の売却には手間がかかるし、買い替えのたびにまとまった初期費用の負担が発生してしまいます。
しかしカーリースであれば、ライフステージの変化を予測しながら契約期間を設定し、契約期間が終わったら車をリース会社へ返却したうえで別の車でリース契約を結ぶだけなので、車の乗り換えもラクラクです。
「ライフステージの変化に合わせて車を乗り替えたい」「常に最新の車に乗りたい」等により数年ごとに車を乗り換えたい人は、車を借りるしくみとしてのカーリースを上手く活用できる人であると言えます。

カーリースのデメリットから自分を守るために

上記のようなケースはカーリースに向いている人の典型的な例であり、それらにあてはまらなくてもメリットを受けることはできますが、デメリットから自分を守ることでより快適にカーリースを利用することができます。
そのためには、カーリースの契約をする段階で次に述べるようなことを考えると良いでしょう。

契約期間は慎重に検討する

カーリースは原則として、契約期間の途中での解約は不可となっています。契約期間が長い方が月々のリース料は安くなりますが、自分にとって車が必要な期間を十分に検討し契約期間を決めることで、将来的に不要な負担を避けることができます。

自分に合った走行距離制限のサービスを選ぶ

車に乗るうえで走行距離制限を意識しなければならないということは強いストレスとなり得ます。
ただ、リース契約の走行距離制限はリース会社やサービスによって様々です。
どれくらいは知るかにもよりますが、日々通勤で車を使う人は走行距離制限が長めのサービスを選ぶなど、自分に合った走行距離制限のリース会社やサービスを探すことで走行距離制限のデメリットを回避することができるでしょう。

クローズドエンド方式のサービスを選ぶ

オープンエンド方式のカーリースは月々のリース料が安い傾向にありますが、契約満了後の車両返却時に残価精算が必要となります。
また、リース料が安くなればなるほど残価精算による支払いが高くついてしまう可能性があります。

クローズドエンド方式のカーリースであれば残価精算の心配がないため、車両返却後の費用負担を避けることができ、安心して車に乗ることができるでしょう。

どうしても回避がむずかしいデメリット

以上のような点に注意することで、カーリースのデメリットからある程度自分の身を守ることができます。
ただ、現金購入やローンと比較し総支払額が高くなるという点は、車を持っている上で発生する維持費がある以上避けることができません。
また、自分好みのカスタマイズができないという点や、車を自分のものにすることができないという点は、リース会社から車を借りるサービスであることからこれも避けることができません。
この様に、カーリースというサービスの特性上どうしても回避することがむずかしいデメリットというものは存在します。

それでも「やめとけ」と言われたら検討してほしいサービス

どうしても避けることがむずかしいデメリットがある以上、やはり「カーリースはやめとけ」という意見には一定の正当性はあると言えるかもしれません。
このようなデメリットを避け、より安心してお選びいただけるために、オリックスのマイカーリースは1984年のサービス開始以来いろいろな試行錯誤を重ね、以下の様なしくみを実現しました。

契約満了後、車をそのまま自分のものにできる

カーリースは契約が満了したら車をリース会社へ返却することとなりますが、オリックスのマイカーリースでは、契約満了後に車をそのまま自分のものにすることができるようにしています（5年契約の「いまのりくん」や、電気自動車（EV）のマイカーリースのみ対象外となります）。
これにより、どうしても避けることが難しい「車を自分のものにすることができない」を回避することができます。
加えて、車を自分のものにすることで「自分好みのカスタマイズができない」というもう1つの避けられないデメリットをも回避でき、さらに「走行距離精算」や「車の原状回復」をそもそも気にする必要が無くなるという大きなメリットもあります。

契約開始から一定期間が経ったらいつでも解約できる

また、カーリースは契約期間の途中で解約する事ができないため、このデメリットを避けるために車が必要になる期間を慎重に検討する必要がありますが、先々のライフスタイルの変化を完全に予知することはどうしてもできません。
このデメリットを回避するため、オリックスのマイカーリースでは契約開始から一定期間が経ったら「いつでも」「解約金なしで」解約することができるようにしています。（電気自動車（EV）や中古車のマイカーリースを除きます）。
突然の状況変化にも柔軟に対応できるので安心してお選びいただくことができるうえ、解約後は別の車で新たにカーリースをお申し込みすることも可能なので、常に新しい車に乗りたいという人にも最適です。

契約期間は車検やオイル交換の無料クーポンが発行される

オリックスのマイカーリースは、車検や各種メンテナンスの費用を契約に含まないプランになっております。
車検や各種メンテナンスも含めていれば車に関する突然の出費をより一定化することができますが、契約する人によって頻度や発生費用もまちまちなメンテナンスを月々定額のリース料に含めた場合、「払い過ぎなのでは」となるケースもあり、より「総支払額が高くなる」ことに繋がるため、メンテナンス付きプランは取り扱っておりません。
そのうえで車に関する突然の出費の発生を少しでも抑え安心して車を持つことができるようにするため、リース期間中の車検や半年ごとのオイル交換をオリックスの提携工場にて無料で行えるクーポンを、新車マイカーリースのご契約特典として用意しています（電気自動車（EV）や中古車のマイカーリースはクーポンの対象外となります。また、クーポンをご利用いただく工場は、ご契約者様のご自宅から最も近い提携工場を1ケ所指定させていただきます）。

なお、車検無料クーポンで無料となるサービス内容や、ご契約者様のご負担となるサービス内容は以下のとおりです。

●車検無料クーポンで無料となるサービス内容
・基本点検整備費用（総合検査料・代行料・印紙代）
・エンジンオイル・オイルエレメント交換
・タイヤローテーション
・バッテリー液・ウォッシャー液補充
・ブレーキオイル交換
・ロングライフクーラント交換

●お客様負担となる内容
・タイヤ交換・バッテリー交換など無料となるサービスに含まれない部品代金・交換工賃
・代車
・鈑金修理

カーリースにしてよかった！ご契約者様の声

オリックスのマイカーリースならではの特徴について解説してまいりましたが、実際にオリックスのマイカーリースをご契約いただき「カーリースにしてよかった」と思っていただけたお客様のお声を一部紹介してまいります。

ローンよりも合理的

●北海道在住 50代男性（新車マイカーリース「いまのりナイン」ご契約）
車を普通に購入したらローンとは別にオイル交換、車検、税金等がかかるのでリースの方が合理的と思い契約しました。
これから、車交換を考えている知人、友人にもお勧めしております。

自分好みの新車をリースできる

●京都府在住 50代女性（新車マイカーリース「いまのりイレブン」ご契約）
カーリースにした理由は年間を通して一定金額という事。車検時とか、自動車税など日々の費用以外に高額なお金を払うのが嫌だったのでこのカーリースにしました。又、新車で自分好みのディーラーオプションも付けられるのでオリックスさんにお願いしました。

余計な費用負担の心配がなく、満了後に車を貰える

●千葉県在住 40代男性（新車マイカーリース「いまのりナイン」ご契約）
毎年の自動車税や車検代さらに最低限のオイル交換代などもリ一ス料に含まれる為，月々の定額料さえきちんと支払っていれば余計な費用負担の心配をする必要がないことにスゴく魅力を感じている。もちろん車も新車であれば各正規ディーラ一より納車となるので安心です。しかもリ一ス期間終了時には車を貰うこともできてしまうのと、継続してリ一スにすれば、再び新たな車種に乗ることも出来てしまう点も外せない。

まとめ

カーリースはリース会社から車を借りて利用するしくみであり、それゆえに現金購入やローンの時とまったく同じように車を使うことはできず、さまざまな制限がかかることになります。
それが「カーリースはやめとけ」としばしば言われる要因なのですが、サービスのしくみを理解し自分のライフスタイルに合った契約内容を検討することで、カーリース特有のデメリットをある程度回避することができます。
本記事を読んでいただき、安心してカーリースを選んでいただくことができれば幸いです。